卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名鵜飼 孝造 年度2023年度
タイトル現代日本における墓離れ増加の社会的背景
内容 2023年の日本では無縁墳墓が多発しており、全国の市町村の58.2%が無縁墳墓を抱えていることが判明した。同時に、墓の形態も変遷しており、新たに購入された墓では樹木葬が一般葬を上回るなど多様性が増している。現代社会では「一族・家族の墓は子供が墓守となって継承する」という価値観が徐々に薄れつつあり、その結果として墓離れが進行している。若者を中心に実施したインタビューによれば、若者は墓に関しては当事者意識が薄く、継承者のいらない墓の形態が主流となりつつある。また、現代の社会問題である「少子化」や「結婚率の低下」も墓の形態や墓離れに影響を与え、墓の文化が変化している。これらの事実から、墓に対する価値観の変化の過渡期である現在では、以上のような状況を考慮して、それに対応する新しい墓の文化の形成が求められている。
講評 墓の継承が難しくなっている現状は、少子高齢化とともに、家族や地域が形骸化していることの現れと考えることができる。しかし、たとえば親の墓をどのようなものにするかについて、子や配偶者は、葬られる本人の遺志を無視できないし、樹木葬を行うにしても、その地域の慣習を無視できないだろう。墓はコミュニティのあり方を鋭く問うている。
キーワード1 墓離れ
キーワード2 無縁墳墓
キーワード3 樹木葬
キーワード4
キーワード5