内容 |
近年の探究学習重視の潮流の中で、地域と学校が協働して学習を提示することは、田舎では見られるが都市部では少ない。しかしながら身近な地域に寄り添った課題解決をすることは、卒業後にローカルな世界で働く人々が多い日本において、全国的に意味のあることではないかと考えた。そこで、大阪市旭区の高校で実施される、区役所と協働した探究学習に着目した。高校教員、区役所職員、地域住人、卒業生から各2名ずつ、計8名にインタビュー調査を実施した結果、地域協働型の探究学習は提案策が実現しやすい点で都市部であっても行政にとっては多いに意義があった。一方で学生や学校にとっては将来必要となるスキルの習得が探究学習の主な目的であり、地域協働型への拘りは少なかった。そこで地域コーディネーターが人々を繋ぎ、学生と地域の繋がりを強化する中でより実践的な解決策の提案に繋げることが、学習の魅力を増幅させる為に必要であると感じた。また、地域内に留まらない発表大会の実施も、学生・学校の熱量増加や全国的な地域発展の為に有意義だと考える。加えて、地域内で学生の「やりたい」を共に実践する環境の構築も、個々のやりがい増幅に繋がると感じた。 |