卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名立木 茂雄 年度2023年度
タイトルフィットネスクラブにおける筋肉量による客我の発達
内容  本稿はフィットネスジムであるジョイフィット堀川今出川店内のマナーを犯す層の社会学的要因をテーマに、当該ジム内における人々の筋肉量と相互作用から社会学的要因をまとめたものである。現状、フィットネスジムの市場は拡大しており、特に専門型ジムの店舗数が多くなっている。専門型のジムではターゲット選定等のマーケティングを工夫しており、当該ジムでも学生をターゲットに運営している。しかし、当該ジムでは学生の会員が増加した代わりに、学生のマナー違反が目立つという問題が発生していると当該ジムのスタッフは述べていた。私は学生のみがマナー違反を犯しているという点に疑問をもち、参与観察やインタビューによって、マナー違反を犯す層の考察とその社会学的要因を分析した。社会学的要因の理論としては、G・H・ミードの『精神・自我・社会』の『me』、集団の中での個人の役割の共通意識やイメージ、一般的な他者を取り込んだ末の具現化した客我を理論としている。その結果、ジム内では筋肉量が初球者・中級者・上級者に分けられ、3階層の間で相互作用が生じている事が明らかになった。特に中級者の印象は悪いものが多く、その相互作用の中で、そのイメージ、一般的な他者を取り込んだ、中級者という客我を持った人々がマナー違反を犯す事が明らかになった。
講評 本田さんは、フィットネスジムでのトレーニーの振る舞いや相互作用について、3回生の頃から読んできたG・H・ミードの『精神・自我・社会』やW・F・ホワイトの『ストリート・コーナー・ソサイエティ』をたよりに、社会学的に分析しました。自身もトレーニーの一員としてジムに足繁く通いつめ参与観察を行ったほか、ジムに通うインフォーマントにインタビュー調査も行いました。観察した情報を分析用のデータとしてまとめあげるのに悪戦苦闘しましたが、ジム内でのトレーニーの振る舞いは、その人自身の筋肉量と密に関連しているという興味深い結果を明らかにしました。フィールドに浸って足で稼いだ卒論に仕上がったと思います。
キーワード1 ジム
キーワード2 客我
キーワード3 相互作用
キーワード4 筋肉量
キーワード5