卒業論文詳細

学科社会学科 ゼミ教員名立木 茂雄 年度2023年度
タイトル父親が娘の異性不安に及ぼす影響について
内容 本稿では、父子関係に焦点を当て、その中でも特に父親が娘に及ぼす影響について調査・考察を行ったものである。男性の育児休業取得率は年々上昇し、社会的に父親の育児参加の必要性が周知されるようになってきている。しかし、筆者はこの父親の育児参加の必要性について疑問を抱き、自身の経験から異性との人間関係には異性の親、つまり娘にとっての父親との人間関係が影響しているのではないかと考えた。そこで、父親が娘の異性不安に及ぼす影響について、筆者と同年代の女性を対象に質問紙調査を実施し、先行研究の尺度を使用して相関分析を行い、考察した。その結果、父親は娘の異性不安に影響を及ぼすことが示唆され、父親の育児参加においては、娘にとってどのような父親であるかが重要であり、「小学生のころの父親が冷淡な父であると、同時に過保護で統制的であり、自由にさせてくれないと感じ、娘は異性不安が高くなりやすい」ということが明らかになった。
講評 野村さんは、若年層女性のもつ異性不安(異性との交流場面において不安を覚えること)は過去の父親との関係に影響されるという仮説を立て、計量分析によって検証しました。父-娘関係に注目したいということは早い段階から決まっていたものの、何を従属変数とするかを確定させるのに時間を要しハラハラしました。しかし、フタを開けてみれば、小学生時に父親が冷淡であったほど現在の異性不安が有意に高い一方で、優しい父親だったこと、過保護な父親だったこと、自由にさせる父親だったこととは有意な関連が確認されず、特に親和的で優しい父親だったことと異性不安の関連は極めて小さいという興味深い結果を見出すことができました。
キーワード1 父子関係
キーワード2
キーワード3 冷淡な父
キーワード4 異性不安
キーワード5