学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 吉田 亮 | 年度 | 2016年度 |
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タイトル | 1920年代「理想的アメリカ人」の創造-優生学の両義性- |
内容 | 本稿では、1920年代アメリカ合衆国における「アメリカ」像について、当該年代において支持されていた優生学の観点から研究を行った。先行研究では優生学による排除の側面ばかりが強調され、逆に優生学は何を守るために排除を行ったのかについて着目した研究は不足しており排除と包括化の両側面からの研究はなされてこなかった。そこで、本稿では優生学の両義性に着目し、1920年代において理想とされたアメリカ人や家族の姿などを明らかにすることによって優生学と優生学が理想としたアメリカ社会の姿などを新たに考察した。第一章では1920年代アメリカ社会と優生学運動の状況を説明している。第二章では優生学の排除の側面を、第三章では優生学の包括化の側面を、史料を用いて分析した。 |
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講評 | 本稿は大量消費時代にあって人種的差別化が進む時期における優生学運動の牽引者とアメリカ社会との関係性について、アメリカ優生学協会等が出版した『優生学ニュース』が主張する「理想的アメリカ人」観の特徴を分析することで明らかにしようとした研究である。優生学は「断種」法や移民制限法の制定を根拠づける理念を提供したことにみられるように人種主義による差別選別排除を介して国民形成をいわば「ネガティブ」に方向付けてきたことはよく知られている。本研究は優生学のそうした排外主義的な側面に限らず、特定の長所とすべき優生学的特徴を持つ「理想的アメリカ人」を、特に家族形成のあり方等に着目して「包括」奨励した面も含めて総合的に見当しようとしたところは大いに評価すべきである。 |
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キーワード1 | 優生学 |
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キーワード2 | 家族観 |
キーワード3 | 人種間 |
キーワード4 | 排外主義 |
キーワード5 | 包括化 |