卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名吉田 亮 年度2023年度
タイトルWWII後における日系二世の地位向上のためのストラテジー転換(1949~1955年) ?服装・体型・化粧の観点から?
内容 本稿では、WWII後の1949~1955年における、日系二世の地位向上のためのストラテジーを考察した。これまでの研究では、日系二世が地位向上のためにアメリカナイズを選択し、アイデンティティシフトは世代間で生じたことが明らかになっている。しかし、戦後の「エスニック多元主義」の台頭や人種差別的習慣の減少が見られた時代で、すべての日系二世が生涯を通し、一貫してアメリカナイズを選択してきたと断言するのは難しいと考える。よって、本稿では当時の日系誌SCENEとNisei Vueを用いて、日系二世の地位向上のためのストラテジーを考察した。
 第一章では、日系人の歴史を論じた。第二章ではSCENEとNisei Vueから1949~1951年の日系二世のストラテジーを考察した。第三章ではSCENEから1952~1955年の日系二世のストラテジーを考察した。本稿では服装・体型・化粧の見た目という観点において、1952~1955年に日系二世がアメリカナイズからエスニシティの再帰を図る流れが生じ始めたことを明らかにした。
講評 当該時期における日系二世の地位向上ストラテジーを同化やアメリカ化としてきた従来の解釈に挑戦するものである。雑誌Sneneに掲載された外観(服装・体型・化粧)に関する記事分析を行うことで、日系人史の先行研究では60年代の特徴とされてきた「エスニック化」がすでに50年代に見られることを明らかにしたことで、定番点の解釈を揺るがした点は評価できる。
キーワード1 日系二世
キーワード2 地位向上
キーワード3 ストラテジー
キーワード4 アメリカナイズ
キーワード5 エスニシティ