学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 木原 活信 | 年度 | 2009年度 |
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タイトル | 「フェルトスティグマ」に関する一考察-HIV陽性者の語りを通して‐ |
内容 | 本稿ではHIV陽性者の語りを通して「フェルトスティグマ」について考察した。ここで述べる「フェルトスティグマ」とは自分自身が持つ内なる偏見と定義する。今回はインタビュー調査に基づいて研究を行ったが、ある事例では「HIVに感染したのはゲイだからしょうがない」という語りがあった。当然ながら彼はゲイだからHIVに感染したわけではない。これこそここで述べる彼のフェルトスティグマであり、彼はこのように思うことで自分を納得させていた。またフェルトスティグマにはスティグマの目を向けられた時の傷つきを軽減させるような側面もあった。語りの調査及び、文献による検討結果から、フェルトスティグマには病気の受容や治療の妨げになるという側面の他に、自分自身を守るような側面がみられた。また、フェルトスティグマからの解放の過程は自己受容の過程でもあり、受容できない自分の一部分をフェルトスティグマとして持っているのではないかという結論に至った。 |
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講評 | 今年は、福祉領域のなかでも、差別問題にかかわる原理的課題、海外の福祉教育という国際的な視座をもった課題、ターミナルケアにかかわる死の課題、児童、障害、高齢者、精神保健、病の課題、とかなり広がりがあるものでした。古くて未だ客観的な答えのない「生老病死」という本質的な課題に集約されるように思います。具体的には、少年非行、学校という児童の成長発達のための生きるという「生」の課題、がん等の「病」のケアの課題、認知症、施設入所のお年寄りのケアという「老」いの課題、そして在宅ホスピスのケアという「死」という問題です。こうした「生老病死」という課題を皆さんのような若い新鮮な視点で直視しつつ、それを抽象的な議論ではなく、福祉ケアという視点と社会的問題として関連づけ、それぞれがひきつけて必死でとらえていたように思います。それを他人事ではなく、自分自身の問題として取り組む姿勢が見られ、そのことは感銘を受けました。なかには、論理構成においても、学部の卒業論文でありながらも、大学院の修士論文顔負けの本格的な議論を正面から格闘して論理的にも展開しているものもあり、まことにたのもしい限りでした。 |
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キーワード1 | フェルトスティグマ |
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キーワード2 | HIV/AIDS |
キーワード3 | ゲイ |
キーワード4 | |
キーワード5 |