卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名木原 活信 年度2009年度
タイトル在宅ホスピスを広げるための条件の考察-ソーシャルワーカーの役割と可能性-
内容 最期まで自宅ですごしたいと望む人は多いが、現実には自宅で最期まで過ごす人は少ない。そこで私は自宅でその人らしさを最期まで保つための手伝いをしてくれる「在宅ホスピス」に着目し、なぜ在宅ホスピスが選ばれないか、又、選ばれるためにソーシャルワーカーはどのように在宅ホスピスに関わっていくべきかを調べることにした。在宅ホスピスを成り立たせるには必要な条件が何点かあるが、その条件は個人、本人の周囲の環境、本人に関わる医療者チームの3つに分類ができる。しかし在宅ホスピスの認知度は低く、自宅で亡くなりたいと考える人たちにこれらの条件が正しく伝わっていない可能性がある。ソーシャルワーカーの専門性は、正しく的確な情報提供、地域資源の活用と開発、専門知識や技術の活用の3つであると私は考えた。ソーシャルワーカーはこれから、専門性を活かしつつ在宅ホスピスを成り立たせる条件をより多く満たせるように働く必要がある。
講評 今年は、福祉領域のなかでも、差別問題にかかわる原理的課題、海外の福祉教育という国際的な視座をもった課題、ターミナルケアにかかわる死の課題、児童、障害、高齢者、精神保健、病の課題、とかなり広がりがあるものでした。古くて未だ客観的な答えのない「生老病死」という本質的な課題に集約されるように思います。具体的には、少年非行、学校という児童の成長発達のための生きるという「生」の課題、がん等の「病」のケアの課題、認知症、施設入所のお年寄りのケアという「老」いの課題、そして在宅ホスピスのケアという「死」という問題です。こうした「生老病死」という課題を皆さんのような若い新鮮な視点で直視しつつ、それを抽象的な議論ではなく、福祉ケアという視点と社会的問題として関連づけ、それぞれがひきつけて必死でとらえていたように思います。それを他人事ではなく、自分自身の問題として取り組む姿勢が見られ、そのことは感銘を受けました。なかには、論理構成においても、学部の卒業論文でありながらも、大学院の修士論文顔負けの本格的な議論を正面から格闘して論理的にも展開しているものもあり、まことにたのもしい限りでした。
キーワード1 在宅ホスピス
キーワード2 ソーシャルワーカー
キーワード3 緩和ケア
キーワード4
キーワード5