学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 木原 活信 | 年度 | 2009年度 |
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タイトル | セクシュアルマイノリティに“光”を―学校の環境・機能的アプローチから変えていく性の認識― |
内容 | セクシュアルマイノリティに対して人々が持つ差別感、あるいは無関心感や逸脱者という烙印的認識(ホモフォビア)は、意図して教え込まれたものではない。これは全ての人が生まれながらに何気なく刷り込まれ、絶対化されていったジェンダー二元制の規範意識があり、そこからの“はみ出し”という形で結果的に生み出されていくものではないか。これは、特定の宗教の教えが強い力を持たない状態でありながら、大衆迎合を美徳としてきた日本社会において、特に静かに、そして強く「逸脱」という形で作用していく。こういった空気のような差別感を打ち破るには、その根源となるジェンダー二元制を意識化し、その絶対性を疑うことから始まる。そのために、ジェンダー二元制を強く内在化した学校現場において、特に学校の機能・環境面に着目した周辺的なアプローチから、当事者および非当事者の内面化したホモフォビアを取り崩していけないかを考察した。 |
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講評 | 今年は、福祉領域のなかでも、差別問題にかかわる原理的課題、海外の福祉教育という国際的な視座をもった課題、ターミナルケアにかかわる死の課題、児童、障害、高齢者、精神保健、病の課題、とかなり広がりがあるものでした。古くて未だ客観的な答えのない「生老病死」という本質的な課題に集約されるように思います。具体的には、少年非行、学校という児童の成長発達のための生きるという「生」の課題、がん等の「病」のケアの課題、認知症、施設入所のお年寄りのケアという「老」いの課題、そして在宅ホスピスのケアという「死」という問題です。こうした「生老病死」という課題を皆さんのような若い新鮮な視点で直視しつつ、それを抽象的な議論ではなく、福祉ケアという視点と社会的問題として関連づけ、それぞれがひきつけて必死でとらえていたように思います。それを他人事ではなく、自分自身の問題として取り組む姿勢が見られ、そのことは感銘を受けました。なかには、論理構成においても、学部の卒業論文でありながらも、大学院の修士論文顔負けの本格的な議論を正面から格闘して論理的にも展開しているものもあり、まことにたのもしい限りでした。 |
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キーワード1 | セクシュアリティ |
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キーワード2 | ジェンダー |
キーワード3 | 学校 |
キーワード4 | |
キーワード5 |