内容 |
第1章では文部科学省発表のデータより,不登校の定義・概況・原因について述べた.「概況」における認識の変遷の中では当初,不登校が病理的な扱いを受けていた事,そして1992(平成4)年の文部省の通知以降,それは「心の問題」であるという認識の変化があったことを述べた.第2章では近年の不登校対策の骨子となっている2005年に文部科学省から出された「不登校への対応の在り方について」述べる.この通知の中で不登校を「心の問題」としてのみではなく,「進路の問題」としてとらえているという点に注目し専門家の意見も交えて述べていきたい.そして第3章では不登校支援の実際として,「心の居場所」作りとしての対策,そして「進路の問題」であると言える不登校問題に対する施策の「受け皿」について述べていきたい.第4章へのつながりとして,学校に通って当然といった「学校信仰」について,そしてその学校信仰は親にも重くのしかかっていく点についてもふれていきたい.第4章では,不登校問題は本人はもちろん,その親も共に傷つき悩んでいる事,しかし本人の為に親をはじめとする家族が「受け皿」となり支えていくこと,さらにその親をどのようにしてサポートしていくことができるかについての可能性について述べたい. |