学科	社会福祉学科	ゼミ教員名	山田　裕子	年度	2009年度
タイトル	現代社会における就労世代の貧困――社会保障の役割についての再検討――

内容	今日の日本は規制緩和や競争社会により，日本型雇用の崩壊にともない，非正規雇用・ワーキングプアが増加傾向にあり，同時にリストラなどによる完全失業者の増加が問題になっている．非正規雇用の増加・正規雇用の減少は，保険や年金の未納率を上昇させ，また高齢者への年金給付の財源を圧迫し，国は医療・福祉分野から削減を行うなど，公的扶助の底の部分から弱者を対象とした予算削減を遂行し弱者切捨て社会になった．本論文では，国の政策による社会的要因から貧困に陥る可能性が高くなった就労世代に焦点をあて，人生前半の社会保障の必要性を分析し，就労世代の若者がいかに社会的排除されているか，また社会保障が現代社会においていかに機能すべきかを保障が厚いスウェーデンと比較し，そこから見える問題を取り上げ就労世代が共通のスタートラインに立ち世代を超えた貧困のスパイラルを止めるにはどのような対策が展開されるべきかを考察した。

講評	3回生のグループ発表でリーダーシップを発揮しましたが、その時の関心を貧困に関する理論や文献に集中させたものの、あまりにも範囲を広く取ったことに悩みながら、最終的には就労世代の貧困にうまく絞り込むことができました。現代の日本において、従来の年功序列制度や終身雇用のような雇用慣行が崩れ、非正規雇用やワーキングプアのみならず完全失業者が増加している問題の背景をまとめ、それに対応できていない日本の社会保障に対し、素早く社会変化に応じたスウェーデンを取り上げて、緻密に書き上げました。

キーワード1	ワーキングプア
キーワード2	所得再分配機能
キーワード3	ベーシックインカム
キーワード4
キーワード5