卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名沖田 行司 年度2016年度
タイトル近代日本における母性保護論争の教育史的研究-与謝野晶子と平塚らいてうを中心に-
内容 男女平等社会の実現が叫ばれた時代から随分時間が経ち、現代を生きる私たちにも新しい女性像の実現が以前より容易になった。世間では共働き、家庭と仕事の両立が当たり前といった風潮もある。女性が、男性並みに働いて家庭と仕事を両立させるのは理想だが、現実的には難しいことも多くある。現代の女性は、自己実現の手段が多くなった代わりに女性としての在り方を以前より深く追求しなければならなくなった。
約一世紀前にも世の女性たちがどのように生きていけば良いのかを模索した女性たちがいた。諸外国の文献を読み、社会の動きに敏感に反応し、知識力を蓄えそれと対応しながら、それぞれが恋愛、結婚、子どもを産み育てるという過程、経験を経てなお、一人の女性としての個性をどう生かすか、模索し母性保護論争を展開した。
女性の生き方の展望を、遠く現代に届く先見性を持ち、せまっている母性保護論争を読み解くことで、今後社会で働くことになる者として、そして一女性として、これからの日本における女性像を見つめ直したい。
講評 本年は卒業研究が1本と卒業論文が17本の計18本の提出があった。ゼミの半数近くが体育会で、特に1月2日まで現役で試合をしたラグビー部に所属する学生が4人とマネージャー1人の5人もいたことから、卒論に専念すべき時期と、大学選手権の試合の時期が重なり、学生も大変だっただろうし、指導する私も戦闘状態でした。日本教育文化史のゼミでは文献史料の読解が不可欠で、先行研究の書物を読むことと併せて、かなりの負担があったと思いますが、私が要求する最低限の内容は全員クリアーしていました。部活動やアルバイトや就職活動で、指導の時間がまちまちとなり、長い時には6時間ほど座り続けてかなり老体に堪えました。しかし、論文指導を通して、はじめてゼミ生の考え方などに触れることが出来、相互理解が深まったように思われる。
キーワード1 母性保護
キーワード2 与謝野晶子
キーワード3 平塚らいてう
キーワード4 近代日本
キーワード5 教育