卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名山田 裕子 年度2010年度
タイトル動物と人間の関係―動物が人間に与える効用をもとに、両者のより良い在り方を考える―
内容 我々人間と動物は、長い歴史と年月を経て、現在まで共存してきた。近年、日本の急速な少子高齢化や単身世代の増加、及びデフレ状況などの社会構造の複雑化に伴って起こる社会的ストレスの増大から、人々は「癒し」といったものを、「動物」に求める傾向にある。単なる家畜として扱われていた存在から、現在では少子化を補うために子ども、すなわち家族同然としての存在価値を見出され、それだけでなく医療・福祉面においても、彼らがもたらす効用は至る所で必要とされている。時代の流れ、社会背景と共に動物の位置づけもまた変化しているのである。
 本稿では、我々人間が生活するにあたってもはや欠かすことの出来ない動物の存在を中心に取り上げ、彼らがどのような「癒し」という形で、人との関わり、生きがい、コミュニケーションなど、現在の社会で不足しているものを補っているのかということを明らかにした。そして、動物と人間が現代社会の中でより良い関係を築いていくために、両者の関係を改めて見直し、今後の在り方について検討を行った。
講評  もともと動物の大好きな筆者は、2010年の内閣府の調査で、「物質的にある程度豊かになったので、これからは心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きを置きたい」と答えた人の割合が6割に上り、年齢が上がるにつれ、その回答をする人が増加し「癒し」や「内面的な充実感」の重要性が増す中で、「動物」が人間の生活にどのような影響を与えているのか、その現状と意味を見出そうと、多くの和文、英文の多くの文献を駆使して書いた。現代、という時代の中での動物の位置づけの変化を、つまり人間と動物との関係性の変化を、社会の生産様式や家族形態や役割の変化などをデータをきちんと提示し、緻密に議論して追求した力作である。筆者の人間と動物を見る目の優しさが全編に貫かれ、格調高く表現されている。
キーワード1 動物
キーワード2 ペット
キーワード3 アニマル・セラピー
キーワード4
キーワード5