卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名井上 智義 年度2016年度
タイトルいじめの原因と防止策:生徒、家族、教師からの考察
内容 本研究の目的は、いじめの主な原因を、当事者である子供だけでなく、両親や教師との関わり方による影響にも焦点をあて、どのような解決策が効果的であるのかについて検討することである。その結果、いじめの原因とは、仲間の同調行動や欲求不満、万能感だけでなく、攻撃的な両親の影響や不適切な権力を行使した教師など、多岐にわたるものであることが分かった。加害者は、共感性の欠如が原因であると考えられ、共感性を養う教育プログラムを行うことで、いじめの予防に繋がると考えられる。両親は、子供への接し方や態度をモデルとして反映してしまうため、育児は両親共に平和的に子どもと関わることが重要である。教師は、生徒との信頼感の強さが、いじめの発生と強く影響していると考えられるため、受容的で親近感のある接し方、自信に溢れた指導、客観性に基づいた評価を生徒に対して公平に行うことで、いじめの発生を削減することができると考えられる。
講評 私が指導する論文は、心理学の領域に限っているが、内容は、基本的には、学生本人の興味関心にゆだねているので、今年度もさまざまなテーマで各自が論文作成に取り組んだ。3回生のゼミから同じテーマで研究を深めた人がいる一方で、グループ研究でおこなったテーマとはかなり異なる内容に挑戦した受講生も、少なからずいた。10,000字の制限がある卒研については、本人が調査をすることなく、その領域での先行研究の論文10本以上をレビューするとともに、今後のその研究領域での展望を見据えたものを執筆することを課題とした。また、20,000字の卒論では、複数の心理学的な調査をおこない、その結果を考察することを課題とした。ゼミ全体では、16本の論文が提出されたが、今年度は、面白みのある視点が備わったものが多かった。なかには、査読付きの論文として投稿しても、学術誌に立派に掲載されるレベルのものもあった。全体としてのレベルは高かった。
キーワード1 いじめ
キーワード2 生徒
キーワード3 家族
キーワード4 教師
キーワード5