卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名吉田 亮 年度2023年度
タイトルブラウン判決と1940~1950年代の日系アメリカ人 ―JACLのPacific Citizenを事例にして―
内容 本稿では、日系アメリカ人の視点から見たブラウン判決について研究を行った。これまでの研究では、ブラウン判決の当事者であるアフリカ系アメリカ人に関する事柄や、ブラウン判決がメキシコ系アメリカ人に与えた影響についても研究されている。そこで本稿では、第2次世界大戦中に起こった強制収容などから、人種隔離に関心があったことが予測できる日系アメリカ人に焦点を当てた。1940年代~1950年代の日系アメリカ人に着目し、当時の日系アメリカ人のアフリカ系アメリカ人観やブラウン判決から受けた影響を分析した。第一章では、当時のアフリカ系アメリカ人における時代背景とブラウン判決の概要について説明する。第二章では、日系アメリカ人団体であるJACLの機関紙、Pacific Citizenから当時の日系アメリカ人のアフリカ系アメリカ人観について分析する。第三章では、同じくPacific Citizenから日系アメリカ人のブラウン判決への反応とブラウン判決に受けた影響を考察した。
講評 アフリカ系アメリカ人史に大きな影響を及ぼしたブラウン判決(1954年)を、他人種集団特に日系アメリカ人史に位置づけてその意義を検討するという試みである。日系市民協会機関誌Pacific Citizenの記事分析を通して、戦中戦後20年間における日系人のアフリカ系への眼差しを追いながら、日系人の人種隔離観の変化を明らかにしたところが評価できる。
キーワード1 ブラウン判決
キーワード2 日系アメリカ人
キーワード3 人種隔離
キーワード4 強制収容
キーワード5 アフリカ系アメリカ人