卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名山田 裕子 年度2011年度
タイトル人とのつながり―社会の変化と共に変化する人間関係―
内容 今日の日本ではTwitterやFacebookのようなソーシャルネットワークが普及し,気軽に遠くに離れた人とでもコミュニケーションを取ることができる社会になってきている.私は,昔のように近所のおばさんと世間話をしたり,作りすぎた料理をおすそわけしたりする,「近所づきあいが盛んな社会」が良い社会だと考えていた.そのため,現在の社会ではインターネット上だけでのやりとりが多く,人と人との本当のつながりが築けないのではないかと思っていた.しかし,現在の社会と昔の社会では状況が違う事に気がついた.社会が違えば,人とのつながりや関わり方も違うのではないだろうか.私が最も良いと思っていた,「近所づきあいが盛んな社会」は果たして現在に適応するのであろうか.そのような疑問から本論文では,日本の社会の変化によって,人とのつながりはどのような影響を受け,変化してきたのかを調査し,現在の社会で起きている人とのつながりにおいての問題を考察する.
講評 小中学校時代に家族で海外に住んだ帰国子女として、サザエさんに出てくるような家族や近隣の生活に大きな憧れを持っていた論者は、すでに異なるように発展した現代においては、当時とは異なる人間関係のあり方をどう考えるべきか、社会の変化を読み込むことから探求を開始しました。戦後人々が大都市に移動し、生産様式も通信・交通手段も変化させ高度経済成長を実現し、当時は得られなかった自由や就学機会の増大や、女性の家事労働からの解放という利点と引き替えに、住居、家族形態、すまい方にも生じた変化が、人々の関係の取り方やコミュニティの変化に影響していることを確認。そのうえで、様々な住民意識調査を調べて、現在の人々が求めているのは、きめ細かな住民同士のふれあいや、安全と安心を満たす地域であることを知り、それを実現しようと取り組んでいる3つの地域の活動を紹介しています。その3つに共通するのは、若者を連れ戻そう、と言う「ないものねだり」ではなく、今住んでいる人たちができる力を発揮し、魅力的な地域を作ることでした。春のゼミ旅行で訪れた上勝町のその後の展開も把握し、また夏休みに訪れた春日学区の取り組みからも学び、高齢者でもできる町の魅力化を説得力のある筆致で描きあげました。
キーワード1 地域のつながり
キーワード2 コミュニティ
キーワード3 高齢者
キーワード4
キーワード5