学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 山田 裕子 | 年度 | 2011年度 |
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タイトル | 被災地におけるメンタルケア |
内容 | 2011年3月11日の東日本大震災は人々の生活に大きな影響を与えた.過去の震災では震災のストレスが人々の精神面に影響し生活に大きな支障を与えている.この論文は精神科など色んな専門家の意見を得て実際にボランティアに行った人の話を聞くことで進めた。 メンタルヘルスの悪化を防ぐためにはメンタルケアを早期的に行うことで人々の生活が大きく変わるということが分かっており,その最も効果的とされている手法がPsychological First Aidで,人々の持つ精神的な回復を支援する方法である.その手法において非常に大切なことは周囲との関係を持つことだが,東日本大震災では南三陸町などが役場そのものを失い保健ネットワークが壊滅してしまったことでメンタルケアはさらに遅れが出ている.今後の課題としてメンタルケアを早期的に行うために地域保健システムの再構築が急務となる.そしてここで力になるのがボランティアである.というのも東日本大震災は規模が広く,どうしても多くの人材が必要となり,復興のためには彼らの力が必要となる. |
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講評 | 卒業論文の作成プロセスでは、誰よりも遅く、最後まで本当に完成するのかどうか、きっとゼミの誰もが危ぶんでいたのではないでしょうか。ある日、突然「できました」と差し出され、読んでみると真面目に取り組んでいたことが分かり、また面白く優れた内容だったのに驚きました、本当に。他のゼミ生がどんどん仕上げていくのを横目に、揶揄されても動揺の色も見せずに、風邪をひいたりお腹を壊したりしながら、遅れてもいつも必ず出席していたのを思い出すと、人知れずこつこつと頑張っていたのだと、じんとくるものがありました。 東日本大震災で被災した住民や、救援に忙しく活躍する人たちが被る心の痛みや苦しみに対するケアの必要性を、神戸大震災と中越沖地震の学びに基づき詳述しています。ホームページからの情報多用のきらいはあるものの、現時点での情報取得にはやむを得ないものと思われます。震災直後の手厚い支援が次第に薄くなるにつれ、それぞれの人はトラウマを抱え込み、苦しみもがく「幻滅期」と称されるその時にこそ、メンタルケアの支援が必要でと神戸大震災が教えていることを知ります。第2章の震災ストレスで引き起こされると挙げているもののうち、PTSDと認知症の関係は私も注目しています。未曾有と語られる東日本大震災に対して、これまでの知見を超える新たな方法の構築を示唆しているのも頷けます。 |
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キーワード1 | ストレス |
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キーワード2 | Psychological First Aid |
キーワード3 | 地域保健システム |
キーワード4 | |
キーワード5 |