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発達障がい児の支援―福祉・医療・教育の連携を考える―
発達障がいという概念が普及し始めてまだ間もない,しかしこの短期間の間に多くの法令が整備され,発達障がいをとりまく環境は今もめまぐるしく変化を続けている.その整備途中の法令の中で今日も多くの発達障がい児者そして支援者が不安・負担を感じながら生活し,職務を行っている.法令は問題点も多々あるが,発達障がい児者支援をよりよいものへ導くものももちろん多く,その法令が実行されていない,実行できない状況は非常にもどかしい.そのため,その背景へとアプローチするような支援体制を考えていく.
本稿では,まず発達障がいの日本における認識・位置づけを確認し,その中でどのように発見・診断されているのかを述べ,発達障がいの定義の問題点,発見への課題について言及する.次に診断を受けることによって“発達障がい児”となった者たちに関わる法令の問題点も指摘する.そして保護者が直面するであろう福祉・医療・教育機関における問題を様々な例で示し,保護者支援の現状をまとめる.以上の様々な問題・課題に対し「3機関の連携」「支援者への支援」に着目してアプローチし、生涯一貫した発達障がい児支援のモデルを構築していく
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