学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 木原 活信 | 年度 | 2012年度 |
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 精神障害者に対する住民の意識と理解についての考察 ―「施設コンフリクト」を通して― |
内容 | これまで精神科病院への収容が主流であった精神障害者への施策が近年急速に地域化へと方向転換しているが、施設建設の際に発生する「施設コンフリクト」が問題視されている。発生の背景には、精神障害者との接触機会の少なさ、メディアなどによって一方的に作られる「精神障害者像」に対する住民の危険視、偏見などが大きく関係していることが先行研究やインタビュー調査から判明した。この問題では一方的に住民を批判することは地域住民と施設側の溝を深めるばかりで解決しない。互いが歩み寄り、住民の理解を得ることが地域生活を実践するうえで必要不可欠である。本論文では、職員だけでなく住民と施設利用者の日常的、継続的な接触(施設の運営委員に住民・当事者を入れる、施設で地域行事を行うなど)が住民の理解を得るために最も重要であると考え、それが利用者をはじめ全ての地域住民にとって住みよいまち作りにおける今後の課題であることを述べた。 |
---|
講評 | 精神障害者の地域化に伴う施設建設の際に発生する「施設コンフリクト」という話題を丁寧に論じた秀作となった。発生の背景を地域住民自身の精神障害者との接触機会の少なさ、メディアなどによって一方的に作られてしまう「精神障害者像」に対する住民が抱いてしまう危険視、偏見などが大きく関与していることを、既存の幾つかの先行研究やインタビュー調査から明らかにしたうえで議論を展開した。歴史的説明なども圧巻であったが、彼女の主張は、このような方法では一方的に住民を批判することは地域住民と施設側の溝を深めるばかりで本来的な問題解決はしないとした。むしろ地域と当事者互いが歩み寄り、住民の理解を得ることが地域生活を実践するうえで必要不可欠であると論じた。文章表現力、論理の構成力とも十分に評価できるものであった。今後更に大学院において調査範囲を広げるなど問題意識を継続して取り組んでいってほしい。まずはお疲れ様。 |
---|
キーワード1 | 精神障害者 |
---|---|
キーワード2 | 差別・偏見 |
キーワード3 | 住民理解 |
キーワード4 | |
キーワード5 |