学科	社会福祉学科	ゼミ教員名	空閑　浩人	年度	2013年度
タイトル	被虐待児の生活環境整備 ―児童養護施設が子ども達のためにできること―

内容

今日、児童虐待のニュースがメディアでも多く取り上げられるようになったが、保護されればその後の子ども達の生活は幸せなものになるとは言い切れない.児童虐待に注目が集まってはいるが、メディアで取り上げられるのは事件が起きたという事実のみで、その後の子ども達に焦点をあてるようなものは少ないように思う. 　子ども達が安全に生活するための場である児童養護施設.命の危険はないにしろ、集団生活での生きづらさを抱えながら生活している子ども達も少なくないはずだ.集団のなかでは自然とできてしまう上下関係に悩む子、自分を守る手段として暴言を吐く子、自分だけを見てほしいがために自傷行為や試し行動をする子など、実習を通してたくさんの問題を抱える子ども達と接してきた.虐待を受けた後もなお、このようなことで悩まなければいけないという事実は、私には受け入れがたかった.虐待を受けたことによる後遺症を抱えながらも生活する子ども達が、少しでも安心して幸せに暮らせる施設とはどのようなものなのか.どのようにしたら理想とする環境を作ることができるのかを、実習の体験を踏まえて論じていきたいと思う.

講評	本論文は、親からの虐待を受けた子どもへの支援のあり方について、児童養護施設での実践を取り上げて論じたものです。子ども達が安心して育つあるいは学ぶ「環境」をいかにつくるかという、施設での実践における大切な問題提起がされています。筆者自身の実習の経験とそこでの学びを踏まえた考察と、説得力のある主張が展開されています。

キーワード1	児童養護施設
キーワード2	被虐待児
キーワード3	施設養護
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