卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名山田 礼子 年度2016年度
タイトル大学入試と高校教育の関係、及び「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の導入によって高校教育にもたらされる変化について
内容 日本の高校教育の問題点として知識偏重であるという点が挙げられている。近年では、パソコンやスマートフォンの普及により、知識を知っているということよりも、知識を用いて課題解決や新しいものを生み出す力が求められるようになってきている。また、学習指導要領においても、生きる力の育成という方針のもと、思考力・判断力・表現力の育成に力を入れるとされている。このように、社会においても学習指導要領においても思考力などの能力が求められているにも関わらず、依然知識重視の教育が行われている。私はこの原因として知識重視の大学入試が挙げられると考えた。そこで、本研究では実際に高等学校で働かれている教員の方のお話を聞くことで、現在の大学教育と高校教育との関連を明らかにしたいと考えた。また、それと関連して、思考力や表現力を評価することを目的として、2020年から実施が予定されている「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」によってどのような変化が高校教育にもたらされるかという点も明らかにしたいと考えた。
講評 本年度の卒業論文を執筆した学生は20000字が12名、10000字が1名の計13名であった。今年の学生たちは、比較的早期から課題を設定して課題に取り組んだといえる。また、当該ゼミでは大学院生を交えてのゼミでのディスカッションも日常化していることもあり、大学院生からのアドバイスを受けることもできた。全体として、段階的に提出をしながら、完成に近づけてきたが、段階ごとに、教員からのコメントを受けて、修正した内容を教員に提出するというプロセスが機能したと評価できるだろう。ラーニング・コモンズを積極的に利用し、ラーニング・コモンズに常駐している教員からの学習指導を受けたことも、自立的に卒業論文に向き合えた要因となった。当該ゼミでは、データを収集し、それを分析することが基本となっているため、早期からデータ収集に取り掛からなければ、分析と卒業論文執筆までこなすことはむずかしい。そうした調査のスケジュールとの兼ね合いという難しい点もあるが、進捗状況をゼミのクラスで発表するたびに、ゼミ生同志あるいは教員からのアドバイスを受けながら、どこまでをいつまでにしなければいけないかということを今年は比較的スムーズに積み重ねることができたように思う。ぜひ、来年度の4回生に今年の経験を伝え、踏襲できるようにシステムを構築してほしい。
キーワード1 高大接続
キーワード2 高等教育
キーワード3 地理歴史科・公民科
キーワード4 大学入試
キーワード5 大学入試改革