学科	教育文化学科	ゼミ教員名	山田　礼子	年度	2016年度
タイトル	大学2年次の課題－2年次のスランプは日本の大学にも存在するのか－

内容

日本では初年次教育が広く普及し研究の蓄積も進んでいるが、2年次以降の特定の年次に焦点を当てた研究は乏しい。体系的な学士課程教育を構築するためには、2年次以降の年次についても研究が進められるべきだろう。米国では、大学2年次に学業面などで落ち込みが見られる「2年次のスランプ」という現象が広く認知され、大学「2年次」を対象とした研究も進められている。筆者はこの「2年次のスランプ」が大学「2年次」の研究を進めるうえで重要なキーワードになると考えた。 そこで本研究では、学業面において「2年次のスランプ」が日本の大学にも存在するのかを明らかにした。アンケート調査の結果、日本の大学にも「2年次のスランプ」に陥る学生が存在することがわかり、さらに「授業に対する意欲」「成績」「授業の出席率」といった項目でスランプが起こりやすい可能性が示唆された。またスランプに陥る学生ほど大学に対する失望感、特に友人関係に対する失望感が大きいことがわかった。

講評

本年度の卒業論文を執筆した学生は20000字が12名、10000字が1名の計13名であった。今年の学生たちは、比較的早期から課題を設定して課題に取り組んだといえる。また、当該ゼミでは大学院生を交えてのゼミでのディスカッションも日常化していることもあり、大学院生からのアドバイスを受けることもできた。全体として、段階的に提出をしながら、完成に近づけてきたが、段階ごとに、教員からのコメントを受けて、修正した内容を教員に提出するというプロセスが機能したと評価できるだろう。ラーニング・コモンズを積極的に利用し、ラーニング・コモンズに常駐している教員からの学習指導を受けたことも、自立的に卒業論文に向き合えた要因となった。当該ゼミでは、データを収集し、それを分析することが基本となっているため、早期からデータ収集に取り掛からなければ、分析と卒業論文執筆までこなすことはむずかしい。そうした調査のスケジュールとの兼ね合いという難しい点もあるが、進捗状況をゼミのクラスで発表するたびに、ゼミ生同志あるいは教員からのアドバイスを受けながら、どこまでをいつまでにしなければいけないかということを今年は比較的スムーズに積み重ねることができたように思う。ぜひ、来年度の4回生に今年の経験を伝え、踏襲できるようにシステムを構築してほしい。

キーワード1	学士課程教育
キーワード2	初年次教育
キーワード3	2年次のスランプ
キーワード4
キーワード5