卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名黒木 保博 年度2015年度
タイトル介護施設職員のやりがいを引き出す職場環境づくりとは?‐介護の職場の人材育成とキャリアステップ‐
内容 私は社会福祉士の実習として児童養護施設に一か月間お邪魔した際に,「こういった雑務さえなければ,私だってもっと子供と接する時間を増やしたいんだ」という職員の嘆きを聞いた.この言葉を聞き,職場環境が,職員が利用者に与えるサービスの量に制限をかけるのではないかと感じた.そのことから,「職員が安定して働ける職場は利用者にとっても良いものなのではないか」という考え,介護職員の職場環境に注目すべきだと思い,この論文を執筆するに至った.まず,第一章では介護人材に対しての期待や現状を述べていった.第二章では,介護人材に関する課題を述べていき,介護人材を安定して確保していくためには,介護の世界で生涯働き続けることが出来るという展望が持てるようなキャリアパスを整備していくことが重要であるということを示した.第三章では,主に社会福祉法人常磐会,社会福祉法人六親会,社会福祉法人大洋社の三法人の人材育成や人材募集の方法などを挙げていき,現在行われている人材育成への取り組みなどを把握していった.終章では,社会福祉法人六親会が提示をしていたキャリアステップに対する考え方を主に参考にしつつ,全体の現状や課題を総括したうえで働きやすい介護の職場に必要となる要素である「福祉的な考え方」とは何かということについて論じていった.
講評 1, 18名の提出であった。
2, 例年通りにゼミでの発表内容も含めての「卒論作成準備」は、二極化した。設定と文献収集リストは、ほぼ一斉にでてきたものの、卒論作成への熱意?や積極性で「格差」が出てきたと思われる。
3, 着眼点については、各自の問題性・課題について、自分の思いと証しからよく理解できた。
4, 論旨の明快性(一貫性)、構成力に関しては、よくできている論文が多かった。20, ゼミでは常々「激励」の意味を込めて伝えてきたことがある。卒論作成過程と提出できた卒論内容こそが大学生時代の学びの集大成である。講義科目はいわば「受動的姿勢」で良かったが、卒論作成は主体的、能動的に創り出していく姿勢が問われた。4年間の学んだ知識、読破した書籍、論文から得た内容や理解力、実習などでの経験、日頃からの情報収集力の集大成である。
6, すなわち各自の「福祉の視点」が明確になっているかが問われることになる。
各自のいろいろな動機から徐々にテーマを絞り、文献や資料を集め、これを読破・分析・整理して、自分の仮説を導き出し、それを論証するために論文を書いたという事実が、卒論の成果として残ったと思う。多くのゼミ生は自分自身との戦いであったと思う。苦しい思いをしながら作成作業をした。多くの人はこのような長文を書くことは今後の人生においては経験しないであろう。自分はあの卒論を書き上げたのだという自信だけはもって卒業して欲しい。もちろん、自分に厳しく自分を鼓舞して作成に立ち向かった人と、できるだけ自分との戦いは消極的で調整しながら作成した人とに区分できるかもしれない。

キーワード1 人材育成
キーワード2 キャリアステップ
キーワード3 福祉的な考え方
キーワード4
キーワード5