学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 木原 活信 | 年度 | 2016年度 |
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タイトル | 絵画制作から見る知的障害者によるアウトサイダー・アートの可能性―アトリエ・インカーブの挑戦― |
内容 | 福祉の現場において、余暇支援の一環として取り入れられるに過ぎなかった障害者のアート活動は、近年アウトサイダー・アートという言葉で表現され、作品そのものの芸術性や創造性、または社会に与える影響力を再評価されつつある。また、障害者の自立や社会参加、共生社会の実現のための手段としても注目され始めているという。本稿では、主に知的障害者を対象とした絵画制作による創作活動に焦点を絞り研究を進めた。まず、これまで展開されてきたアウトサイダー・アートに関わる活動の軌跡を追うことでその動向を知り、知的障害者にとってのアート活動の意義を考察した。次に、国における法制度を基に知的障害者を取り巻く現状を明らかにしたうえで問題点を挙げ、これらを解決する1つの挑戦としてのアトリエ・インカーブによる取り組みを紹介した。最後に今後期待される展望や課題点を考慮することで、アウトサイダー・アートの可能性を検証し、結論とした。 |
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講評 | テーマ設定は自ら考えるというのが僕の方針である。それは、テーマを自ら発見し、それを探求する過程こそ研究の第一歩であり、そこに重要な意義があると考えるからである。その意味では、今年も各自よくテーマを自分なりに模索しつつ、よく練られたテーマを考えたと思う。その結果、上記に記すようなテーマとなった。 今年の卒論は、精神障害、発達障害、知的障害、児童・高齢者虐待、高齢者の介護問題、認知症のケア、依存症、ひきこもり、不登校、家族問題、犯罪などというキーワードが浮かびあがってくるように極めて現代的な福祉の重要課題に基づくテーマとなっている。それぞれが社会福祉学を学ぶにあたっての集大成として、これらのテーマと必然的に出会ったようであったが、鋭い問題意識をもってユニークな研究テーマに取り組めたと思う。 テーマ設定にはその時代を色濃く反映してその解決を模索したものが多いが、社会福祉学の場合、たまに学生の自らの青年期の課題を生きるために苦悩しつつ、それを必死で言語化している場合も散見される。歴史学者の阿部謹也氏が言うところの「自分のなかに歴史を読む」ということであろう。これを機にそれらの問題を更に突き止めていってもらいたいが、仮にもテーマそのものが自らの個人体験的課題に直結するのであれば、この卒論の論文執筆を通して、その問題から「解放」された自由人になることも切望したい。 ところで、テーマに付随する先行研究を整理するのには手間と時間がかかる。これに苦労してなかなか前に進まなかったものもあったが、これを丹念に進められたかどうかが論文の評価に直結してくる。英語文献まできっちりと読みこなした論文もあったが、これは高く評価したい。また自ら、調査課題を設定し、手間と時間をかけて自分なりの独自の調査を実施した論文もあったが、これも大いに評価できる。実践フィールドに自ら出かけてそこで課題を見出した論文もあったが、その分析・考察の課題はあるにせよ、リアリティのある論文となった。これらの意気込みとその作業を大いに評価したい。 締め切りぎりぎりまで厳しい論文執筆作業に苦心した者もあったが、全体として、私の厳しい注文にも自らの問題意識を軸に必死で活字にしようと本当によくがんばったと思う。なかには、大学院生の学位論文顔負けの鋭い問題意識をもって新機軸を模索しようとするような論文もあった。 |
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キーワード1 | 知的障害者 |
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キーワード2 | アウトサイダー・アート |
キーワード3 | 自立 |
キーワード4 | 所得 |
キーワード5 | アトリエ・インカーブ |