学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 木原 活信 | 年度 | 2016年度 |
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タイトル | 介護者へのアセスメントが介護負担を減らすのか―イギリスを事例として― |
内容 | 介護保険が導入されても、介護者の負担が軽減されていないという報告がされている。原因のひとつに、介護者を直接対象にした支援がなされていないことが挙げられる。先行研究では介護者に対して支援を行うためには、まず介護者を対象としたアセスメントを実施するべきだという意見がある。しかし、介護者の時間を削ってアセスメントをしても、かえって負担になるという意見もいくつかある。アセスメントという介入は、果たして介護者の負担軽減へと繋がるのだろうか。そこで、介護者のアセスメントの歴史が長いイギリスを軸に日本ケアラー連盟の介護者アセスメントの実践も参考にしながら、アセスメント導入の是非に関する検証を目的とした。結果、①介護者支援の主体は介護者であるという認識を持つこと、②介護者支援体制の整備、③介護者支援の法律を制定すること、この3点を克服しなければ、アセスメントはかえって介護者の負担を増加させると結論付けた。 |
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講評 | テーマ設定は自ら考えるというのが僕の方針である。それは、テーマを自ら発見し、それを探求する過程こそ研究の第一歩であり、そこに重要な意義があると考えるからである。その意味では、今年も各自よくテーマを自分なりに模索しつつ、よく練られたテーマを考えたと思う。その結果、上記に記すようなテーマとなった。 今年の卒論は、精神障害、発達障害、知的障害、児童・高齢者虐待、高齢者の介護問題、認知症のケア、依存症、ひきこもり、不登校、家族問題、犯罪などというキーワードが浮かびあがってくるように極めて現代的な福祉の重要課題に基づくテーマとなっている。それぞれが社会福祉学を学ぶにあたっての集大成として、これらのテーマと必然的に出会ったようであったが、鋭い問題意識をもってユニークな研究テーマに取り組めたと思う。 テーマ設定にはその時代を色濃く反映してその解決を模索したものが多いが、社会福祉学の場合、たまに学生の自らの青年期の課題を生きるために苦悩しつつ、それを必死で言語化している場合も散見される。歴史学者の阿部謹也氏が言うところの「自分のなかに歴史を読む」ということであろう。これを機にそれらの問題を更に突き止めていってもらいたいが、仮にもテーマそのものが自らの個人体験的課題に直結するのであれば、この卒論の論文執筆を通して、その問題から「解放」された自由人になることも切望したい。 ところで、テーマに付随する先行研究を整理するのには手間と時間がかかる。これに苦労してなかなか前に進まなかったものもあったが、これを丹念に進められたかどうかが論文の評価に直結してくる。英語文献まできっちりと読みこなした論文もあったが、これは高く評価したい。また自ら、調査課題を設定し、手間と時間をかけて自分なりの独自の調査を実施した論文もあったが、これも大いに評価できる。実践フィールドに自ら出かけてそこで課題を見出した論文もあったが、その分析・考察の課題はあるにせよ、リアリティのある論文となった。これらの意気込みとその作業を大いに評価したい。 締め切りぎりぎりまで厳しい論文執筆作業に苦心した者もあったが、全体として、私の厳しい注文にも自らの問題意識を軸に必死で活字にしようと本当によくがんばったと思う。なかには、大学院生の学位論文顔負けの鋭い問題意識をもって新機軸を模索しようとするような論文もあった。 |
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キーワード1 | 介護者 |
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キーワード2 | 介護保険制度 |
キーワード3 | 介護負担 |
キーワード4 | イギリス |
キーワード5 | アセスメント |