学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 木原 活信 | 年度 | 2016年度 |
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タイトル | 児童虐待の予防のために―日本における育児支援と政策― |
内容 | 近年,児童虐待が増加し,大きな社会問題となっている。今回,先行研究をふまえ,児童虐待が子ども達の成長に及ぼす精神的影響を,心理的影響と,学習の場面それぞれに焦点を当て考察した。心理的影響については,PTSDや愛着障害などが挙げられた。学習の面では,被虐待児と,児童虐待の無い安全な環境で育った子どもを比較した結果,被虐待児の方が知的能力および学力のどちらも低いということが分かった。このように児童虐待は身体的影響だけでなく,精神的影響もかなり大きい。このような事態に陥る前に,私達は児童虐待を防がなければならない。では児童虐待を防ぐ取り組みとして,国及び市町村では,どのような政策をしているのか。本研究ではこのような児童虐待が子どもに与える精神的影響の重大性をふまえ,児童虐待は絶対に防がなければならないものであることを改めて認識し,国及び市町村単位で行われている育児支援や政策と,その問題点について述べた。 |
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講評 | テーマ設定は自ら考えるというのが僕の方針である。それは、テーマを自ら発見し、それを探求する過程こそ研究の第一歩であり、そこに重要な意義があると考えるからである。その意味では、今年も各自よくテーマを自分なりに模索しつつ、よく練られたテーマを考えたと思う。その結果、上記に記すようなテーマとなった。 今年の卒論は、精神障害、発達障害、知的障害、児童・高齢者虐待、高齢者の介護問題、認知症のケア、依存症、ひきこもり、不登校、家族問題、犯罪などというキーワードが浮かびあがってくるように極めて現代的な福祉の重要課題に基づくテーマとなっている。それぞれが社会福祉学を学ぶにあたっての集大成として、これらのテーマと必然的に出会ったようであったが、鋭い問題意識をもってユニークな研究テーマに取り組めたと思う。 テーマ設定にはその時代を色濃く反映してその解決を模索したものが多いが、社会福祉学の場合、たまに学生の自らの青年期の課題を生きるために苦悩しつつ、それを必死で言語化している場合も散見される。歴史学者の阿部謹也氏が言うところの「自分のなかに歴史を読む」ということであろう。これを機にそれらの問題を更に突き止めていってもらいたいが、仮にもテーマそのものが自らの個人体験的課題に直結するのであれば、この卒論の論文執筆を通して、その問題から「解放」された自由人になることも切望したい。 ところで、テーマに付随する先行研究を整理するのには手間と時間がかかる。これに苦労してなかなか前に進まなかったものもあったが、これを丹念に進められたかどうかが論文の評価に直結してくる。英語文献まできっちりと読みこなした論文もあったが、これは高く評価したい。また自ら、調査課題を設定し、手間と時間をかけて自分なりの独自の調査を実施した論文もあったが、これも大いに評価できる。実践フィールドに自ら出かけてそこで課題を見出した論文もあったが、その分析・考察の課題はあるにせよ、リアリティのある論文となった。これらの意気込みとその作業を大いに評価したい。 締め切りぎりぎりまで厳しい論文執筆作業に苦心した者もあったが、全体として、私の厳しい注文にも自らの問題意識を軸に必死で活字にしようと本当によくがんばったと思う。なかには、大学院生の学位論文顔負けの鋭い問題意識をもって新機軸を模索しようとするような論文もあった。 |
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キーワード1 | 被殴打児症候群 |
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キーワード2 | 学習性無力感 |
キーワード3 | 児童虐待防止 |
キーワード4 | 児童虐待の通告の義務 |
キーワード5 | 児童相談所 |