卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名黒木 保博 年度2016年度
タイトルウィルチェアーラグビーから見る障害者スポーツの普及と発展―2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて―
内容 本論文では、なぜオリンピックが東京で開催されることが決定し、スポーツへの関心が高まっている中で、障害者スポーツに対する認識が低いのかという点に着目した。そこで、第1章では障害者スポーツの歴史、日本の障害者スポーツの現状や背景などを明らかにする。第2章では、1964年に行われた東京オリンピックに注目し、この大会によって日本のスポーツ界にどのような影響を及ぼし、発展していったのかについて明らかにすることで,障害者スポーツ普及のカギを論じる。第3章では、パラリンピック競技種目の一つであるウィルチェアーラグビーを取り上げ、歴史やルール、現状を調べることでマイナーである障害者スポーツ普及のカギを考察する。第4章では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都が行っている取り組みや、企業が実際に行っている取り組みを明らかにする。最後に障害者スポーツ普及のために筆者が最も重要と考えるソフト面のバリアフリー化について具体的な案を論じる。そして大会後に障害者スポーツが風化しないようにするために継続的にできること、日本のあるべき姿を考察する。
講評 黒木ゼミでは卒業論文発表会を実施している。2017年1月7日土曜日、9時20分に新町尋真館41番教室に集合し、オリエンテーションの後、9時40分から一人20分の持ち時間で17時まで実施した。この目的は、1)卒論提出者はもう一度卒論を見直して、まとめ、自己評価をすること、2)ゼミでは相互に発表し合い、質問し合ったが、最終的に相互評価をしてみること、3)3回生は4回生の発表を聞くことで、質問することで、卒論作成におけるテーマ設定の難しさ、文献収集の重要性等を具体的に理解できることである。
この発表会には大学院生、卒業生も出席して質問やコメントをしていた。その後、3,4回生、大学院生、卒業生47人が集まり、打ち上げを行った。

18人の発表が終わり、最後にTAからのコメントと黒木からのコメントをした。
1, 例年通り「準備」は二極化した。専門演習クラスにおける卒論作成発表準備取り組み(文献収集、発表内容、レジュメ内容)からの評価となる。準備に時間、エネルギーを費やしていく卒論作成への熱意、積極性に大きな差が出てきた。
2, 着目点のユニークさ、面白さ等から、各自の問題性、課題性が理解できた。今年度は約版数が高齢社会に関するテーマであったが、内容には各自の着目点(視点)が出ていた。
3, 毎年指摘しているが、コツコツと時間をかけ、取り組んでいる卒論は、読んでみればすぐに理解できる。章立てや内容展開等の構成力もしっかりとしており、読み応えがあるものであった。
4, 卒論作成にあたっては、実習体験、見学での参与観察、インタビュー調査等を基礎にすることを奨励している。しかし、現場・現地にも行かずWEB情報を駆使して理解した、わかった(つもり)と思って書いた内容には当然に「格差」があった。
5, つまり、卒論作成のねらいをよく理解して、自分に厳しく、自分を鼓舞して卒論作成に取り組んだ人と、できるだけ自分との戦いを後回しにして「小手先」で書きあげた卒論は自ずと訴える内容に違いが出てきたと思われる。
 
最後に、ゼミ生にこまめに文献指導や作成助言をしてくれたTAのM氏に感謝したい。
キーワード1 障害者スポーツ普及
キーワード2 1964年東京オリンピック
キーワード3 認知症
キーワード4 ウィルチェアーラグビー
キーワード5 2020年東京オリンピック・パラリンピック