卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名越水 雄二 年度2023年度
タイトルスウェーデンの「森のムッレ教室」 ―SDGsの環境課題達成率の向上のためにー
内容  この論文は、日本におけるSDGsの環境関連項目の達成率向上を目指す。特にスウェー
デンの「森のムッレ教室」に焦点を当てている。スウェーデンでは、幼児期から自然に触れ
合う機会が豊富であり、5~6歳の子供たちに対して「森のムッレ教室」が行われている。
また、過去に酸性雨などに見舞われた経験から環境問題に対する制度も日本に比べて整っ
ているのでSDGs達成率が高い。本論文では、「森のムッレ教室」の特徴や効果をスウェー
デンの状況を踏まえて検討し、それを日本の環境教育に活かす提案を行う。研究方法として
は、「森のムッレ教室」やスウェーデンの幼児教育に関する先行研究を参考にし、日本と比
較、検討する。その上で、幼児期から自然と親しむ経験を豊富にすることが重要であるとい
う結論に至った。最後に「森のムッレ教室」を日本でさらに広めることと、日本のSDGsの
環境関連項目の達成率を向上していくにあたっての課題点も述べている。
講評 SDGsへの関心は日本でも高く、その重要な要素として、環境教育の実践と研究も活発になってきている。その一方で、私たちの日常生活を見渡せば、環境保全へつながる取り組みはまだまだ不十分である。このような現状を少しでも改善していくために、著者はスゥエーデンで1960年代に始まり、1990年代以降日本でも展開している「森のムッレ教室」に着目した。「ムッレ」とは妖精であり、人間が自然とのつながりを回復できるように導いてくれる象徴的存在である。学校教育で知識を獲得する以前に、幼児段階で自然の中で直接、そのさまざまな営みを体感する経験は、われわれが環境問題へ取り組むための根本的な前提として不可欠である。この意味で日本においても、「森のムッレ教室」のような実践の意義と可能性は大きくと考えられる。
キーワード1 「森のムッレ教室」
キーワード2 SDGs
キーワード3 環境教育
キーワード4 スウェーデン
キーワード5 環境問題