卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名山田 裕子 年度2016年度
タイトル介護予防の取り組み:意義と可能性を探る―日本とデンマークの比較から考える
内容 2015年には日本全国高齢者数が全人口の26。7%に占めており、超高齢化社会を迎える。「団塊の世代」の人たちが2015年に65歳に入り、75歳になる2025年から介護ニーズを大幅に増加させると見込まれている。今後増え続ける高齢者に健康と安心感を持つ老後生活を営むための支援を要求されている。2006年の介護保険法の改正とともに介護予防が重視されるようになった。実行してから10年間で問題点を見直しながら平均寿命の延びなどの成果がいろいろ挙げられている。2025年に向け、介護予防に対する期待が大きくなっている。
本論文では現在日本で行われている介護予防事業の取り組み、そして成果と不足、また将来より多くの高齢者に介護予防の活動に参加してもらう方法について着目する。高齢者福祉の充実度が評判となっているデンマークで行われている介護予防、特に成功した家庭訪問制度について調べ、日本が目指している医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する地域包括システムの構築への示唆を探りたいと思う。
講評 介護予防政策と実践を、デンマークから学び、日本の介護予防に組み込む可能性を探る意欲的な卒論です。秋には、北欧三国すべてを取り上げたいとのことでしたが、1つの国の背景も含めて深く知ることを勧め、デンマークに絞りました。最初なかなか原稿が届かないので少し心配しましたが、その後、日本の介護保険制度の複雑な進展を調べ上げ、デンマークの家庭訪問による介護予防制度を詳述しました。さらに自身が社会福祉実習で経験した地域包括支援センターの予防事業の内容も実習ノートに基づき分析しました。ノルウェーの研究者がデンマークの家庭訪問を中心に実施する介護予防の効果を質的に探究した英語論文を日本語に翻訳し用い、2015年の自分自身の地域包括センターでの社会福祉実習経験をも組み込んだ総合的な卒論になりました。段落の作り方、引用を明確に表して、体裁の面でも優れています。
キーワード1 介護保険法の改正
キーワード2 介護予防
キーワード3 デンマーク
キーワード4 高齢者福祉
キーワード5 予防的家庭訪問