学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 黒木 保博 | 年度 | 2017年度 |
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タイトル | 手話コミュニケーションの現状と課題、さらに普及への試み |
内容 | 聴覚障害を持つ人々が使用する「手話」でのコミュニケーションについてどれくらいの人々が関心を持っているだろうか。「手話」は聴覚障害を持つ人々の母語である。母語とは人々のコミュニティを作るものであり、その人物のアイデンティティを構成するものである。そこで、筆者は日本において「日本語」とは違うコミュニティを形成する「手話」についてその歴史や現状、定義、またそれを使用している聴覚障害を持つ人々について明らかにしたい。また、筆者は幼い頃から聴覚障害を持つ両親のコミュニティで育ってきたことから「手話」が持つ力や聴覚障害を持つ人々の交流意欲を感じてきた。ここから、「手話」コミュニケーションの長所を生かし、聴覚障害を持つ人々と持たない人々が繋がる方法、また手話コミュニケーションが普及していく方策について研究したいと考える。そして、聴覚障害を持つ人々と持たない人々の間を取り持つ手話通訳者の方々についても取り上げ、これからの共生社会を考えることに繋げていきたい |
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講評 | 卒業論文発表会では17人(1名が欠席)の発表終了後、TAのH氏(大学院博士前期課程生)からのコメント、また黒木からのコメントをした。このコメント内容を卒論講評とする。 1.専門演習クラスにおいては卒論作成の進捗状況を各自3回発表した。その卒論作成準備(具体的には文献収集、発表内容の検討、レジュメ作成&内容)状況、そして発表日内容を評価した。例年通り「卒論作成のための準備」は二極化した。準備に時間とエネルギーを費やしていく卒論作成への熱意、積極性に大きな差が出てきた。 2.今年の卒論では、着目点のユニークさ、面白さが見受けられた。着目点は各自の問題性、課題性が理解できた。今年度は約半数が高齢社会に関するテーマであったが、内容には各自の着目点(視点)が出ていた。 3.毎年指摘しているが、早くからコツコツと時間をかけ、取り組んでいる卒論がある。これは読んでみればすぐに理解できる。章立てや内容展開等の構成力もしっかりとしており、読み応えがあるものであった。 4.卒論作成にあたっては、毎年のことであるが、実習体験、当事者性、見学での参与観察、インタビュー調査等を基礎にすることを奨励している。これを出発点とした卒論は執筆者の思いがよく伝わってきた。しかし、現場・現地にも行かずWEBや参考文献情報を駆使して、わかった(つもり)で書かれた論文内容には当然に「格差」があった。 5.つまり、卒論作成のねらいをよく理解して、自分に厳しく、自分を鼓舞して卒論作成に取り組んだ人がいる。一方では、できるだけ自分との戦いを避け、後回しにして「小手先」で書きあげた卒論もある。しかし、自ずと内容に違いが出てきていると判断できる。 6.卒論作成にあたって、ゼミ生に要求したことがある。卒論内容に「4年間学んだ社会福祉とは何か?の解答を書き込むこと」である。大学生活の集大成である卒業論文の作成・提出のプロセスで学んだことを、ぜひこれからの人生で生かしてほしい。 最後に、ゼミ生に文献指導や作成助言をしてくれたTAのH氏に感謝したい。 |
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