卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名黒木 保博 年度2017年度
タイトル障害者スポーツの外側と内側の課題~障害者スポーツの振興に向けて~
内容 本論文では、障害者スポーツの課題を明確化し、その課題の解決策を示し、障害者スポーツ振興を目指すことを目的としている。その中でメディアの扱い方(外側)と環境面(内側)からのアプローチを行った。また、障害者スポーツ先進国であるイギリス、韓国、カナダと日本の政策などの状況を比較し、障害者スポーツに対する関心が低いという共通の課題を導き出すことができた。そこでさらにその課題を深堀することにより、「精神面での障壁がある」「障害者の情報や理解が不足している」という二つの視点を得ることができた。そして、それぞれの課題を解決するために、アダプッテドスポーツを用いて共生社会の実現を目指すことと障害者スポーツを体験し、障害者と交流できるような教育の充実が必要であることを示した。これらの解決策を提示することにより、本論文の目的である障害者スポーツ振興へ少しでも貢献できたのではないだろうか。
講評 卒業論文発表会では17人(1名が欠席)の発表終了後、TAのH氏(大学院博士前期課程生)からのコメント、また黒木からのコメントをした。このコメント内容を卒論講評とする。

1.専門演習クラスにおいては卒論作成の進捗状況を各自3回発表した。その卒論作成準備(具体的には文献収集、発表内容の検討、レジュメ作成&内容)状況、そして発表日内容を評価した。例年通り「卒論作成のための準備」は二極化した。準備に時間とエネルギーを費やしていく卒論作成への熱意、積極性に大きな差が出てきた。
2.今年の卒論では、着目点のユニークさ、面白さが見受けられた。着目点は各自の問題性、課題性が理解できた。今年度は約半数が高齢社会に関するテーマであったが、内容には各自の着目点(視点)が出ていた。
3.毎年指摘しているが、早くからコツコツと時間をかけ、取り組んでいる卒論がある。これは読んでみればすぐに理解できる。章立てや内容展開等の構成力もしっかりとしており、読み応えがあるものであった。
4.卒論作成にあたっては、毎年のことであるが、実習体験、当事者性、見学での参与観察、インタビュー調査等を基礎にすることを奨励している。これを出発点とした卒論は執筆者の思いがよく伝わってきた。しかし、現場・現地にも行かずWEBや参考文献情報を駆使して、わかった(つもり)で書かれた論文内容には当然に「格差」があった。
5.つまり、卒論作成のねらいをよく理解して、自分に厳しく、自分を鼓舞して卒論作成に取り組んだ人がいる。一方では、できるだけ自分との戦いを避け、後回しにして「小手先」で書きあげた卒論もある。しかし、自ずと内容に違いが出てきていると判断できる。
6.卒論作成にあたって、ゼミ生に要求したことがある。卒論内容に「4年間学んだ社会福祉とは何か?の解答を書き込むこと」である。大学生活の集大成である卒業論文の作成・提出のプロセスで学んだことを、ぜひこれからの人生で生かしてほしい。

最後に、ゼミ生に文献指導や作成助言をしてくれたTAのH氏に感謝したい。
キーワード1 パラリンピック
キーワード2 アダプッテドスポーツ
キーワード3 障害理解教育
キーワード4 メディア
キーワード5