卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名木原 活信 年度2018年度
タイトル死刑制度は必要か ―凶悪事件から考える―
内容  世界中で死刑廃止論が強まり、死刑制度を廃止する国が増える中、日本は死刑制度を存置し続けている。その中で、死刑判決が下され既に死刑執行された凶悪事件、市川一家四人殺人事件を例に挙げ、事件の内容や犯人の動機、生い立ちを明らかにした。そして、加害者、被害者遺族、実際に死刑を執行する人々など、多方面から日本の死刑制度の在り方について研究した。また、日本の死刑制度だけでなく、世界の死刑制度の動向についても明らかにした。そして、本当の意味での「償い」について、償いとは自分なりの一番の償いの形を探し続け、それを継続し続けることではないかと考えた。それらを踏まえ、日本の死刑制度の存廃について考察し、果たして死刑制度は日本において必要な制度であるといえるのかという問いに対して、死刑制度は必要ないという自身の考えを明らかにした。
講評 世界では、死刑制度を廃止する国が増える中、日本は死刑制度を存置し続けている。これらを問題意識として議論をはじめ、特に市川一家四人殺人事件を事例として丹念に分析したのが本稿の特徴である。そのなかで「償い」とは何かに行きつき、それらを踏まえ、日本の死刑制度の存廃について考察した。最終的な結論が当初考えたものよりは、複雑な(やや曖昧な)結論になった感は否めない。ただこれは死刑を廃止すべきか、否かという単純な議論ではおさまらないことに気づいたという「証し」なのかもしれないし、むしろそこまで行きついたプロセスが評価できる点であろう。社会人でもしっかり元気に頑張って欲しい。
キーワード1 死刑制度
キーワード2 市川一家四人殺人事件
キーワード3 更生
キーワード4 償い
キーワード5