卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名木原 活信 年度2018年度
タイトル性非行の実態と自立支援に関する考察―児童自立支援施設での取組みを通して―
内容  強盗、放火、強姦、暴行、傷害、窃盗等、少年非行には様々なものが挙げられる。児童自立支援施設にはこれらの代表的なものの他に、さまざまな「性」に関係した非行を行った児童が入所している。本稿では、第1章で警視庁によるデータを基に現代社会における非行の特徴を、グラフを用いて整理し考察した。第2章で、近年増加している性非行に関して、先行研究を用いて、性非行とは何か、性非行の背景にあるものは何かを明らかにした。第3章では、児童福祉法44条に規定されている児童福祉施設である児童自立支援施設で実際に行われている支援をもとに、子どもたちの個別性を尊重したうえでどのような支援を行えばいいのかを考察した。その結果、性非行児にとってより良い自立支援とは、児童自立支援施設の特徴である「枠のある生活」の中で、発達障害などの多様化している子どもたちのニーズに対応した「個別性」を尊重した、自立支援を行っていくことであると結論付けた。
講評 児童自立支援施設には「性」に関係する非行問題を抱えた児童が多く入所していることに着目し、性非行児にとってより良い「自立支援」とは何かを吟味した。そして児童自立支援施設の特徴である「枠のある生活」の中で、発達障害などの多様化している子どもたちのニーズに対応した「個別性」を尊重するような自立支援を行っていくことの重要性を議論した。一貫して、児童自立支援施設の「自立」に拘り続け、特に「枠」とその対の概念である「自由」について自立の関係で深まった議論ができたことは高く評価できる。今後はこの成果をしっかりと活かしてソーシャルワーカーとしてがんばってほしい。
キーワード1 性非行
キーワード2 性問題行動
キーワード3 性加害
キーワード4 自立支援
キーワード5 児童自立支援施設