卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名黒木 保博 年度2018年度
タイトル「超高齢化社会と少子化を呼ぶ晩婚化」
内容  現在日本は既に超高齢化社会に入り、少子化問題が問題視とされている。このような現状から、日本の高齢化の現状を踏まえた上に、少子高齢化の原因とは何かを調べた結果、晩婚化が少子化に一番大きい影響を与えていることがわかる。そして今の日本の晩婚化は、女性の社会参加が活発になったことと国民の学歴水準が上昇したこと、また経済的要因などが複合的に関連しているといえよう。このような複合的要因から、他国はどのような背景があってどのような政策を展開しているのかを調べ、日本に必要な少子化対策を提案したい。もちろん、他国の政策を真似することだけで、少子化が簡単に解決できるわけではないが、参考程度にはなるとは思う。そのために、2つの国を選定して研究を行った。その二つの国とは、福祉政策が手厚いフランスと前例がないほど速いスピードで高齢化社会に入った韓国である。そして、日本の晩婚化解消のために非婚・未婚者に結婚及び出産支援策を提案したい。また、日本の社会福祉は生涯後半に集中されている傾向がある。例として日本の社会保障費用の5割は年金及び介護費用として使われているが、若者世帯に対する支援制度壮大的に貧弱である。この形の福祉政策を社会進出時期に集中させる形に転換させる必要性があることを述べて行きたい。
講評 専門演習クラスで、すでに伝えているが、黒木ゼミの卒業論文評価は次のような項目である。1)論旨の明快性(一貫性) 2)着目点、3)準備力(作成発表内容等)、4)構成力、5)文献の収集、6)文献の応用、7)表現力、8)卒業発表会内容、を各項目で評価し、総合点とする。

1・卒論作成は、多くのゼミ生は自分自身との戦いであったと思う。苦しい思いをしながら作成作業をした。多くの人はこのような長文を書くことは今後の人生においては経験しないであろうと思われる。自分はあの卒論を書き上げたのだという自信だけはもって卒業して欲しい。もちろん、自分に厳しく自分を鼓舞して作成に立ち向かった人と、できるだけ自分との戦いを調整しながら作成した人とに区分できるかもしれない。
2・例年通りに3)「準備力」は、二極化した。専門演習クラスにおける発表準備、発表内容、レジュメ内容での評価となる。しっかりと文献を収集し、文献を読み、卒論構想に取り組んでいる発表と、明らかにまだ取り組んでいないことが判断できる発表である。毎回一人約30分、3人の発表となるが、ゼミ生15人のために春学期2回、秋学期1回だけの発表であった。
3・文献の収集のためには「検索」方法を身につける必要がある。また文献の応用をしながら、本格的執筆のための準備をしていくことになった。テーマ設定・提出は、ほぼ一斉にできたものの、準備に時間、エネルギーを費やしていく卒論作成への熱意や積極性で差が出てきたと思われる。
4・2)着目点については、そのテーマ・内容に関心を持ち、着目した各自の問題性・課題性との関連で評価できた。自分の思いと証しからよく理解できた。
5・1)論旨の明快性(一貫性)、4)構成力、7)表現力に関しては、例年以上によくできている論文が多かった。
6・ゼミクラスでは常々「激励」の意味を込めて伝えてきたことがある。卒論作成に取り組んだ過程と提出できた卒論内容こそが大学生時代の学びの集大成である。講義科目はいわば「受動的姿勢」で良かった。しかし、卒論作成は主体的、能動的に自らが一から創り出していくことでもあった。各自のいろいろな関心・動機から徐々にテーマを絞り、文献や資料を集め、これを読破・分析・整理した。自分の疑問点からどうすれば仮説を導き出し、それを論証するために論文を書いたという事実が、卒論成果として残ったと思う。
キーワード1 晩婚化
キーワード2 少子化
キーワード3 養育支援
キーワード4 ベーシックインカム
キーワード5