卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名木原 活信 年度2019年度
タイトルキリスト教における社会福祉と平和の関係性―柏木義円を中心に考える―
内容  本研究では、柏木義円の活動を中心にキリスト教、社会福祉、平和の関係性の証明をした。キリスト教と平和は、非戦論の立場として平和活動に努めてきた。キリスト教と社会福祉は、“愛”を中心としてお互いの関係性を強くしてつながりの輪を広めることが必要である。柏木義円の活動として、寺院で下宿した際に経験したことから社会福祉の必要性を高めていたと伺える。『上毛教界月報』で石井十次や留岡幸助に関する論文や記事が掲載されていたことから、この社会福祉の先駆者とのつながりも根深いものであったと考える。社会福祉と平和は、関係性の構築と一人ひとりの個性を大切にして様々な視点に立ち“見えない”を“見える”ようにすることが大切であると伺える。この3つの関係性は切れない関係性にあると考える。3つの関係性を明らかにし、“平和”について改めて考えること。個人の幸福を求め、真の平和へ導くにはどのようにするべきかを考える。
講評 本研究では、柏木義円の活動を中心にキリスト教、社会福祉、平和の関係性の議論をしたものである。キリスト教と社会福祉は、“愛”を中心としてお互いの関係性を強くしてつながりの輪を広めることが必要であるとするが、それと平和がどうかかわるのかが問題意識である。その際、柏木義円をその先駆者としてとりあげ、その思想をもとに議論を展開した。本論で主に使用されている資料は、『上毛教界月報』であるが、丹念にそれを読み解いた。最終的に柏木思想から社会福祉と平和は、関係性の構築と一人ひとりの個性を大切にして様々な視点に立ち“見えない”を“見える”ようにすることが大切であることを示し、現代の平和問題、国難についても言及することができた。

テーマへの一貫性、著者の血縁でもある柏木義円を取り上げて、それと正面から向きあい、現在では読解が難しい古典的資料を読み込んで議論したことは高く評価できる。今後、この成果を活かして、更にキリスト教と福祉、そして平和を考究する人物になってもらいたい。
キーワード1 キリスト教
キーワード2 社会福祉
キーワード3 平和
キーワード4 柏木義円
キーワード5 上毛教界月報