内容 |
本稿は、近年、日本において増加傾向にある、母子家庭における貧困の問題について、その母子家庭で生まれ育った子どもも将来貧困になる確率が高いという現状を踏まえ、貧困の連鎖がいかにして起こっているのか、その原因を突き止め、貧困の連鎖を食い止めるためになにをすべきかを明らかにすることを目的としている。現在の日本社会において、離婚率の増加や、子どもを産んでも結婚せずにそのまま一人で育てるという、いわゆるシングルマザーとよばれるひとり親家庭の世帯数の増加はとても大きな課題となっている。これらの課題を踏まえ、増え続けている母子家庭の中でも、特に大きい問題の1つといえる母子家庭の貧困問題を少しでも減少させ、また、その母子家庭の貧困の世代間連鎖を食い止めることに繋がればと考え、この論文を作成する。本稿では、母子家庭における貧困の実態を明らかにするため、まず、はじめに、本や資料などから様々なデータを用い、母子家庭の母親の就労状況など、現在の実情を明らかにしたい。また、一般家庭と母子家庭での就労状況の差や所得の格差、また、その所得の格差からなる子どもの進学状況の比較、そこから起こり得る学力格差についてのデータなども調べ、経済的な格差からおこりうる学歴の格差、将来的な所得の差などの情報も交えながら進めていき、論じていきたい。最後に、日本の母子家庭の生活環境をもっとよくするためになにができるのかを、文献などを用い考察を行っていきたい。 |