内容 |
この論文は、20代の若者をテーマに格差・貧困について調査し、どうすれば未来の若者が希望を見出すことができるのか述べてきた。働いても貧困から脱出できないワーキングプアの存在を取り上げいまなぜ問題となっているのか述べた。ワーキングプアの代表例として、非正規雇用を取り上げた。非正規雇用は正社員に比べて賃金水準が低く,不安定な雇用であり、若年期に特に重要な職業能力の獲得の機会が個人のキャリア形成という視点から見たとき少ない。そのために、将来的に年齢を重ねた後も、賃金の上昇が見られず生活水準が上がらないという問題点を述べた。その後、格差と貧困とは何かということについて触れた。また、若年不安定就労は、バブルが崩壊した1990年代から注目を浴び、主にフリーター問題を皮切りに様々な研究が行われるようになった。長期的な厳しい不況下の中、企業の雇用も消極的になり「フリーター」や「非正規雇用」にならざるを得ない問題が発生した。当時は、就職難から職につかない若者やフリーターになる若者が非難されていたが、今ではその労働問題は社会問題へと発展していると述べた。社会からの復帰という観点で、引きこもりについて述べた。引きこもりでも働ける社会が来たら、これまでの「引きこもりはだめだ」という固定観念がなくなるかもしれないと考えた。普通にこれまで生きてきた人でも、社会に出て就職し、職場での人間関係や、ストレスで引きこもりになってしまう人は多く存在する。特に人間関係が希薄化し、人とのつながりが薄くなっているこの現代社会で「少しの間」また、「ずっと」でも、どうするかは本人の判断であるが、もし一人で生計を立て、家でいても社会復帰が可能だとすると非常に多くの人にとって利益があると考えた。最終的に、すべての若者が希望を見出すためには、仕事をし、結婚して子供を育てるといった「普通の生活」をいかに送れるようにできるかが肝心なのであると考えた。そのために、将来的にも家庭を持ち、共働きで子供を養えるくらいの経済的余裕が生まれる賃金を若者はこれから得る必要があるという結論である。 |