学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 吉田 亮 | 年度 | 2017年度 |
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タイトル | 1970年代~1980年代における白人異性愛者の「男性性」 ―クリント・イーストウッド監督作品を事例に― |
内容 | 本稿では、1970年代~1980年代のアメリカ社会における異性愛者白人男性の「男性性」について研究を行った。先行研究では、男性の歴史的経験や男性間の関係性が重視されており、ジェンダー平等の観点が不足していることを指摘した。そこで本稿では、個人の経験としての男性性ではなくイデオロギーとして機能してきた男性性を考察するため、当時の映画作品と社会がどのように影響し合っていたのかを考察した。その中でも、作品の中で男女関係や友情・戦争・復讐・法などあらゆる倫理的問題に取り組んできた、クリント・イーストウッド監督の映画作品を取り上げた。第一章では、1970年代のアメリカ社会や映画業界の動向について説明し、当時のイーストウッドの人物像に触れながら、彼の初監督作品である『恐怖のメロディ』やそれに対する大衆の反応について考察している。第二章では、1980年代の当該社会や映画産業について説明し、『ダーティハリー4』やそれに対する大衆の反応について説明している。最後に、これらの考察から作品に描かれたジェンダー・イデオロギーに対する反応が、社会の動きに伴い変化していたことを提示した。 |
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講評 | 「1970年代~1980年代における白人異性愛者の「男性性」―クリント・イーストウッド監督作品を事例に―」は、当該時期のアメリカ社会における「男性性」のもつジェンダー・イデオロギー的性格を、映画作品を事例に考察している。特に、クリント・イーストウッド監督の代表作を用い、大衆新聞、エンターテインメント・映画産業の業界紙に掲載されたこれら対象作品に関するコメントを調べることによって、視聴者の視点からそのイデオロギー性の特徴を二時期に分けて分析した。その結果、女性解放運動の興隆期(70年代)と衰退期(80年代)における当該社会のジェンダー観が映画作品に顕著な形で反映されていることが証明された。本論文は、制作者よりもむしろ視聴者の立場から大衆文化と社会の影響関係に関する実証的な研究のひとつとして高く評価するに値する。 |
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キーワード1 | 男性性 |
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キーワード2 | 映画 |
キーワード3 | クリント・イーストウッド |
キーワード4 | アメリカ |
キーワード5 | ジェンダー |