卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名廣野 俊輔 年度2021年度
タイトル映画が示唆する児童虐待の現状と里親・養子縁組制度の将来性―子どもにとって一番の幸せの形を―
内容 本稿の問いは、昨今の映画が示唆する児童虐待の現状から、養子縁組が児童虐待減少のカギとなるかである。令和2年度中に全国220ヶ所の児童相談所による児童虐待相談対応件数は、過去最多の20万5029件を更新した。また、生みの親と共に暮らせずにいる子どもが日本には約4万5000人おり、8割以上は児童養護施設等で生活を送っている。一方で、日本財団の調査によると、特別養子縁組の成立件数は上昇傾向にあり、日本における潜在的な里親候補者は100万世帯を超えているが、実際の里親成立件数は18%にとどまっている。なぜ日本は他国に比べて里親・養子縁組制度が普及しないのか。原因として、制度に関する圧倒的な情報不足や認識の違いだと考えた。そこで、日本における児童虐待の現状や、里親・養子縁組制度について知ってもらうために、多くの人に影響を与え、観た人を疑似体験させる力がある映画を活用することで改善に繋がると捉えた。本稿では、児童虐待を題材とした映画を活用し、目に見えない児童虐待の現状を再認識する。そして、養子縁組を題材とした映画と他国による取り組みを用いて、里親・養子縁組制度がいかに児童虐待を防ぐ力があり、子どもの未来の選択肢を広げる要素になるかを考察した。
講評 2年前に着任したわたくしにとって,これが初めての卒論の総括になります。2020年4月,久しぶりに母校に戻った私は,初めてゼミのメンバー(当時は3年生)と対面しました。対面したといってもコロナ禍のためにZOOMによるオンライン講義でした。メンバーは多様で,社会福祉士の受験資格を取得する人もそうでなく福祉分野以外での就職を目指す学生さんもいました。それはともかくとして全員必ず出さないといけないのが,卒業論文です。13月にゼミ独自の締め切りを設けました。進捗にばらつきこそありましたが,より進んでいる学生が,そう学生を手伝うといった光景も見られ,最終的になんとか提出できました。特徴としては,人権課題に焦点を当てたものや国際色に富んだ論文,地域問題にかかわるものといったように,いろいろな意味で同志社大学らしい論文が揃いました。内容をよくすることももちろん重要ですが、長い文章を書きあげたという達成感は,きっとこれからの自信になると思います。?
キーワード1 普通養子縁組
キーワード2 児童労働
キーワード3 特別養子縁組
キーワード4 世代間連鎖
キーワード5