卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名郭 芳 年度2023年度
タイトルグループホームの認知症高齢者の意思決定の尊重と課題
内容  日本の少子高齢化に伴い「認知症高齢者の意思決定の尊重」という課題は今を生きる私たちすべてが共通して考えざるを得ないものとなっている。当然ながら、すべての人は自己決定権を保有し自身に関する決定を行う権利があるため、誰もが自分の意思を尊重し自分らしく生きられる社会を実現していかなければならない。しかし、認知症は脳機能の低下により意思決定能力が制限されることがあるため、意思決定の尊重には倫理的問題やジレンマが生じることも少なくない。したがって、本論文の研究では実際に認知症高齢者への理解を深め、ACP(Advance care plannning)やパーソン・センタード・ケアを活用することですべての人が最期まで自分らしく生きられる社会が実現可能だと考察した。最後に、生涯に渡り尊厳を持って生きられる社会の実現に向けて個別化した具体的な方法を提言し、論文を締めくくる。
講評  本論文は、日本の少子高齢化に伴う「認知症高齢者の意思決定の尊重」に焦点を当て、現実的な問題とジレンマに対する解決策を探るものである。論文の強みは、実際の認知症高齢者が生活する施設に対するインタビューを通じて、認知症と意思決定の尊重に関する課題や感情にアクセスし、理解を深めた点である。著者は具体的な事例を通じて、倫理的問題やジレンマが浮かび上がる中で、どのように認知症高齢者の意思決定を尊重し、尊厳ある生活をサポートするかについて洞察を提供している。また、ACP(Advance Care Planning)やパーソン・センタード・ケアの活用に焦点を当て、これらを通じて最期まで自分らしく生きる社会の実現に向けた可能性を考察している。改善点としては、ACPやパーソン・センタード・ケアの具体的な実践例や成功事例をより詳細に掘り下げ、これらのアプローチがどのようにして意思決定の尊重に貢献するかを具体的に説明すると、読者がより深く理解しやすくなるだろう。
キーワード1 認知症高齢者
キーワード2 自己決定
キーワード3 尊厳
キーワード4 ACP
キーワード5 パーソン・センタード・ケア