卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名小野セレスタ 摩耶 年度2023年度
タイトル被児童虐待児への適切な関わり方-愛着の視点から考察する-
内容 近年児童虐待への社会的関心は高まっているものの、虐待発生件数は増加傾向にある。
本研究は、児童虐待を受けたことによる“生きづらさ”を解消するために適切な子どもとの関わり方とは何かを追求していくことを目的とする。
 児童虐待は子どもの安定した愛着形成に支障をきたす。養育者との間に安定した愛着関係が築かれないことは、対人関係の困難や精神疾患の発症に関わるのだ。このような様々な“生きづらさ”の根本の原因である愛着障害を治す手法として、「愛着アプローチ」がある。実際にこの手法をもとに愛着を修復した事例を参照した結果、被虐待児と関わる上で「受容」する態度が重要だということがわかった。不安定な愛着を安定したものへと変化させるためには、その子が抱く感情や思考を否定せずに受け入れていく姿勢が適切なのだ。
講評 被虐待経験のある子どもの多くは、地域の中で生活している。学校や生活の場で、大人はどのように関わっていくことができるのか、専門家ではない者が適切に接するためにはどうしたらよいのか、という視点でまとめられた論文である。愛着障害に注目して丁寧にレビューしたのち、さまざまな支援方法の中から専門職に限らず実践できる方法として「愛着アプローチ」を選択し、事例も踏まえて論理的にまとめられている。論の一貫性、記述の適切さ等高く評価できる論文である。
キーワード1 児童虐待
キーワード2 愛着
キーワード3 愛着アプローチ
キーワード4
キーワード5