卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名小野セレスタ 摩耶 年度2023年度
タイトル「学歴と年収から考察する児童養護施設入所児童の大学進学における適切な支援」
内容 年々増加傾向にある児童虐待。本論では様々な研究から児童虐待家庭の傾向に経済的な困窮があること、更に児童虐待は世代間連鎖の傾向があることを明らかにし、経済的な困窮を打開することで児童虐待の発生とその連鎖を防ぐことができると結論付けた。そうした経済的な困窮を防ぐ手立てとして大学進学を提唱し、中でも被虐待経験を持つ子どもが暮らす児童養護施設に焦点を当てた。ところが施設の子ども達の大学進学率は一般の18歳と比較して低いものである。そこから彼らの大学進学を妨げている3つの要因と現状のデータ、現在行われている支援について取り挙げる。そこから更に現行の支援は行き届いているのかについての統計を取り挙げ、児童養護施設入所児童の大学進学を可能にする支援に関する考察を行う。その結果、被虐待経験のある子どもにとって大学進学を可能にする支援の土壌には頼ることができる人間の存在が必要不可欠であることが明らかになった。
講評 児童虐待の世代連鎖の背景の一つに、経済的困窮があることに注目し、その打開策の一つとして大学進学率の向上を取り上げた論文である。さまざまなデータを駆使し、論理的に現状を分析したうえで、学習支援や経済的支援のあり方、大学中退率を低下させるために必要な支援などを丁寧にまとめている。多様なソースのデータを活用して論理的に述べられている点が高く評価できる。
キーワード1 児童虐待
キーワード2 大学進学率
キーワード3 教育格差
キーワード4 児童養護施設
キーワード5