卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名沖田 行司 年度2017年度
タイトル坂本龍馬の近代国家構想
内容 幕末はペリー来航をきっかけに動乱の日々が続いた。大勢の有能な人材が尊王攘夷運動を進め、志半ばで失脚・自害・暗殺などで倒れていった。しかしその中で坂本龍馬は亀山社中の結成、薩長同盟、大政奉還といった偉業を成し遂げてきた。彼は土佐藩の郷士層として生まれ、私塾や藩校には通っていなかった。当時の武士や儒者が常識としていた事や、書物を通して供用を身につけようと試みた形跡が見当たらない。しかし彼は多くの人と出会い、話を聞くことで多くのことを吸収し、自分の知識を向上させた。人と人との情報交換こそが彼の教育の本質だったのである。ペリー来航の嘉永六年に開国すると、多くの情報や技術が日本に入ってきた。そのなかで龍馬はどのように膨大な情報の中から取捨選択し、多くの人と交流していく上でどのような影響を受けたのだろうか。新たな人物と接する時に、先入観や偏見を持たずに現実をあるがままに見て、その都度適切な判断をすることが大切である。坂本龍馬の生涯は私たちにこのようなことを教えてくれた。
講評 今年度のゼミ生は卒業論文〈20,000字〉が12名で、卒業研究〈10,000字〉が7名の計19名である。卒業論文を選択した学生は毎週演習の時間に指導していたので、それ程問題はなかったが、卒業研究を選んだ学生は指導がないままに11月を迎えた。そのほとんどが論文の体裁をなしていなかった。参考文献から無断借用したものも見られ、書き直しをしてもらった。字数さえ満たせばいいと思っていた学生には大きな衝撃であったと思う。結局、11月ごろから毎日PC持参で研究室に来てもらい、資料を読んで考えていただき、また質問に応じるという作業をおこなった。その成果もあって、提出日の前日には全員が論文を完成することができた。
私は論文指導を通して、はじめて学生と向かい合うことができると考えている。中には「先生よく勉強してはるな」と学生からお褒めの言葉をいただくこともあった。しかし、それはよく勉強した学生だからこそ、その言葉が出てくると思う。むしろ学生を褒めるしかないのである。体育会に所属する学生が多いのも私のゼミの特質であるが、私は論文作成において、一切妥協はしない。玉石混交ではあったが、全員が努力して立派な論文を書き上げたことに敬意を表したい。
キーワード1 近代国家構想
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