内容 |
本論文では、在日コリアンが抱えている問題の原因を探りながら、どのような問題を抱えているかまとめることを目的とする。日本社会に蔓延する在日コリアンへの偏見、差別を明らかにするため、問題の根本、歴史を辿ってなぜそのような認識が生まれたのかを検討した。検討する前、出入国在留管理庁が発表した「在日外国人統計(旧登録外国人統計)」と民団が発表している統計データを基にどれくらいの在日コリアンが日本にいるかを確認した。その上で日本、そして彼らがルーツを持つ韓国からの認識も取り上げ、出身国と在住する国の両国からどのような待遇を受けてきたかを述べた。また、日本に同じく在住する他の在日外国人・ニューカマーとの待遇などを比較した上で、彼らが抱えている経済・文化的な困難をまとめた。同じ日本でも、在住する地域によって歴史や認識が少し異なるため、この論文では在日コリアンの中でも京都に在住する人に限定した。『京都市地域・多文化交流ネットワークサロン』が綴った在日コリアンの体験談をもとにどのような課題があったのか、五つのカテゴリーに分けて議論した。以上のことから歴史的な背景でやむを得ず来日した多くの在日コリアンが日本と朝鮮半島の両国から差別を受け、その差別意識は未だに続いていることが明らかとなった。 |