学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 鈴木 良 | 年度 | 2023年度 |
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タイトル | 特別支援学校高等部における知的障害者の進路決定の現状と課題 ―大阪府立豊中支援学校高等部における参与観察・インタビュー調査を通してー |
内容 | 今日では、法定雇用率の引き上げなど障害者の社会参加が促進され知的障害者の進路も多様化し、選択の幅も広がっている。一方、定着率の低さなどの課題が存在する。このような時代の中で、特別支援学校高等部における知的障害者の進路について、本人が主体的に意思決定をしていくことが重要であり、適切な支援を行なっていく必要がある。 本研究では、このような背景から豊中支援学校高等部における参与観察・インタビュー調査をもとに特別支援学校の高等部における知的障害者の進路決定の現状と課題について述べている。その結果、進路決定の現状には、1)「生徒と進路先のマッチングの難しさ」2)「アフターフォロー」3)「地域差」において課題があることを明らかにした。また、本人の意思決定に基づいた進路決定には、1)「実習の場の充実」2)「段階を踏む早期からの進路指導」3)「客観的な視点から先を見据えた指導」の3点が重要であると考察した。 |
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講評 | 本研究では、大阪府豊中市にある豊中支援学校高等部における参与観察・インタビュー調査に依拠して、特別支援学校の高等部における知的障害者の進路決定の現状と課題について考察している。 この結果、進路決定の現状には、1)「生徒と進路先のマッチングの難しさ」、2)「アフターフォロー」、3「地域差」において課題があることが明らかにされた。また、本人の意思決定に基づいた進路決定には、1)「実習の場の充実」、2)「段階を踏む早期からの進路指導」、3)「客観的な視点から先を見据えた指導」が重要であると結論づけられている。 近年では、障害者の法定雇用率の引き上げなど障害者雇用が進む中で、知的障害者の進路も多様化し、選択の幅も広がっている状況がある。一方、就職した後の定着率の低さなどの課題も存在し、特別支援学校高等部における知的障害者の進路支援が問われている。 筆者は、将来自らも支援学校の教員になることをこころざしていて、本研究のテーマについては自らが直面する課題として受け止めながら、研究を進めてきた。調査では、支援学校の場に直接足をはこび、現役の教員から話を伺うだけではなく、構内の進路指導の場にも参加し、支援学校高等部の実態に基づいて検討してきた。 筆者は、生徒の意思決定支援の重要性を繰りかえし主張している。まさに、このことが将来の就職定着率にも大きく関わる可能性があり、進路指導の場における意思決定支援の方法が求められるといえる。彼女の研究が、こうした支援方法を考える際の重要なヒントを提示していると考えられる。 |
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キーワード1 | 個別の教育支援計画 |
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キーワード2 | 意思決定支援 |
キーワード3 | 就労意欲 |
キーワード4 | 現場実習 |
キーワード5 | アフターフォロー |