学科 | 社会福祉学科 | ゼミ教員名 | 鈴木 良 | 年度 | 2023年度 |
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タイトル | 「京都市の寺社仏閣におけるバリアフリーの現状と改善策 ―人を選ばない寺社仏閣を目指して―」 |
内容 | 本研究では、誰もが楽しめる寺社仏閣を目指し、京都の寺社仏閣におけるバリアフリーの現状を明らかにし、改善策を考案することを目的とした。 まず、「清水寺」「西本願寺」「龍安寺」「賀茂別雷神社」「賀茂御祖神社」「二条城」「平等院鳳凰堂」の実地調査を行うことにより、各寺社仏閣におけるバリアフリーの現状を明確化した。先行研究を踏まえ、分析視点として、「スロープ」「階段」「点字ブロック」「多目的トイレ」「バリアフリー情報の提供」に焦点を当てた。 次に、実地調査の結果、バリアフリー化に努めている部分はありながらも、依然として段差や階段などのバリアが数多く存在したことを踏まえて、日本自立生活センターと意見交流会を実施し、各寺社仏閣のバリアフリーに関わる見解を分析した。 上記の分析結果を踏まえて、各寺社仏閣におけるバリアフリーの改善策を明らかにし、各寺社仏閣関係者に対して提案することを意図した。 |
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講評 | 本研究では、京都の寺社仏閣におけるバリアフリーの現状を明らかにし、改善策を考案することを目的としたものである。 研究方法としてはまず、「清水寺」「西本願寺」「龍安寺」「賀茂別雷神社」「賀茂御祖神社」「二条城」「平等院鳳凰堂」の実地調査が行われている。このとき、先行研究を踏まえて、分析視点として、「スロープ」「階段」「点字ブロック」「多目的トイレ」「バリアフリー情報の提供」に焦点が当てられた。次に、実地調査の結果について、当事者団体である日本自立生活センターのメンバーと意見交流会を実施し、そこで得られた各寺社仏閣のバリアフリーに関わる見解を分析している。これらの調査結果を踏まえて、各寺社仏閣におけるバリアフリーの現状と改善策が明らかにされている。 副題にあるように、本研究は「誰もが楽しめる寺社仏閣を目指す」ために行われている。川崎さんは、何度も京都の寺社仏閣に足を運び、卒論提出の前日まで清水寺でトイレの広さをメジャーで自ら測定してきた。研究の熱意には心より敬意を表したい。3年次にバリアフリー活動家の大久保さんと同志社大学のバリアフリー調査を行なった。このときの経験が、卒論のバリアフリー調査につながっているのではないかと私は考えている。大久保さんとの意見交換の時に、川崎さんは非常にするどい意見を述べていたのが印象に残っている。当事者目線で、バリアフリーの問題を考えることの重要性を彼女は述べていた。この熱意が卒論の実地調査や日本自立生活センターとの意見交換会の取り組みに現れている。 本研究の成果は寺社仏閣関係者や障害当事者にとって大変有意義な情報を提供している。是非この研究成果を読んでいただき、今後の政策や運動に活かしていただきたい。 |
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キーワード1 | バリアフリー |
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キーワード2 | 寺社仏閣 |
キーワード3 | 車椅子使用者 |
キーワード4 | 日本自立 生活センター |
キーワード5 | 当事者視点 |