卒業論文詳細

学科社会福祉学科 ゼミ教員名鈴木 良 年度2023年度
タイトルヤングケアラーの生活困難とその解決策についての一考察 ~自助グループ活動団体へのインタビューに依拠して~
内容  ヤングケアラーとは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこどものことを指す。彼らは家族のケアをすることで時間やエネルギーを費やすため、学業や自分自身の成長に十分な時間を割くことができず、学業の成績や進学の機会に影響を及ぼす場合がある。同時に彼らは、家族のケアをすることによる精神的な負担を抱えながら自分自身の感情やニーズを抑えることが求められている。この結果、心理的な健康や社会的な関係に影響を及ぼす可能性がある。その他にも社会的な孤立や差別など、ヤングケアラーが抱える問題は様々である。
 本論文では、ヤングケアラーが抱える困難や課題の解決を目的とし、自身の経験や自助グループ団体へのインタビュー調査の結果を交えながら考察した。この結果、ヤングケアラーの当事者は自身が当事者であることに気づきにくく、気づいても相談できず孤立している現状があり、安心出来る「居場所」が必要であることが分かった。
講評 本研究は、ヤングケアラーが抱える困難や課題の解決方法を明らかにすることを研究目的としいる。このために、自らのヤングケアラーとしての経験や自助グループ団体へのインタビュー調査の結果を踏まえて分析されている。この結果、ヤングケアラーの当事者は自身が当事者であることに気づきにくく、気づいても相談できず孤立している現状があり、安心出来る「居場所」が必要であることが明らかにされた。
近年、ヤングケアラーをめぐる生活困難が社会的に着目され、各自治体においても相談窓口の設置などの取り組みがなされている。彼らは家族のケアをすることで時間やエネルギーを費やすため、学業や進学の機会に影響し、健康や社会的な関係に影響を及ぼすことが指摘されている。
社会福祉学においてヤングケアラー問題に対処するソーシャルワークのあり方を考える上でも本研究のデータは参考となるであろう。
キーワード1 ヤングケアラー
キーワード2 自助グループ
キーワード3 ケア
キーワード4 インタビュー
キーワード5 レスパイト