学科 | メディア学科 | ゼミ教員名 | 浅野 健一 | 年度 | 2008年度 |
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タイトル | 報道されないJR福知山線事故の刑事責任 ―事故報道はどうあるべきか― |
内容 | マスメディアはJR西日本の刑事責任を問う報道をしなければならなかったと仮定すし、JR福知山線脱線事故報道における日本ジャーナリズムの問題点について研究する。 事故の報道では、被害者の顔写真や実名を報道が行われた。またそれだけでなく、新聞社に内定している同志社大学生に対して、情報を持ってくるように強要するなど、被害者・遺族、その関係者らに対して倫理観が欠如した取材がみられた。新聞各社は読者の「知る権利にこたえるためとしているが、そもそも「知る権利」は権力側の情報を知るために存在する権利であり、被害者などの一般市民の情報を暴露する免罪符ではないはずである。これらを憲法や人権思想の成り立ちを見ながら考察する。 事故の再発を防ぐためには、被害者の個人情報を伝えるのではなく、日勤教育など事故の背後にある原因を見据え、法の場で責任を追究することも必要であろう。マスメディアは市民の「知る権利」にこたえるべく、権力側、すなわちJR西日本の刑事責任について報道するべきであるとして研究する。 |
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講評 | 浅野ゼミでは9人が卒業論文を完成させたが、いずれも力作であった。沖縄の米軍基地問題とメディアを取り上げた論文が二つあり、9・11事件とハリウッド映画の関係を論じた学生もいる。また、首相の靖国神社参拝問題がポスト小泉の時代においてメディアから消えたことを問題にした論文もある。環境問題におけるマスメディアの二面性を「公害」をキーワードに論じたり、JR脱線事故の刑事責任を報道が取り上げないことを追及したりした研究もある。いずれも、報道の自由は何のためにあるかを探り、ジャーナリズムが日本では近年ほとんど機能していないことを実証したレベルの高い成果である。 |
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キーワード1 | 人権 |
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キーワード2 | 報道 |
キーワード3 | JR西日本福知山脱線事故 |
キーワード4 | 表現の自由 |
キーワード5 | 知る権利 |