内容 |
大気中のCO2濃度が上昇することで引き起こされる地球規模での気温上昇、いわゆる地球温暖化問題が指摘されて久しい。温暖化に伴う弊害は様々で、具体的には世界各地の氷河や南極氷床溶解とそれに伴う海水面の上昇、乾燥による森林火災などが挙げられる。人類共通の課題である温暖化問題解決のために、マスメディアにはなにができるだろうか。温暖化問題とは様々な環境破壊問題の一つの局面であり、日本は高度経済成長期において深刻な環境破壊=公害問題と向き合ってきた歴史がある。本稿ではまず、公害問題においてマスメディアがどのような役割を果たしたのかを検証することに解決の糸口を求めた。
しかし、一方でマスメディアは消費社会の醸成に多大な影響をもたらし、間接的に環境破壊の一翼を担ってきたとは考えられないだろうか。現在でも企業広告は各マスメディアにとって大きなの収入源であるし、企業の広告塔、すなわち消費社会の旗手として市民に与える影響は大きい。
このように、環境破壊という観点においてマスメディアは相反する2つの顔を持っている。このマスメディアが抱える自己矛盾とはどのようなものかを検証し、マスメディアが真の“言論機関”であるために何が必要かについて、考察を試みた。 |