内容 |
コントとは笑いによる寸劇のことを指す。その起源は日本では、1200年前に中国から伝わった散楽である。散楽はその後様式を変え、室町時代には狂言として、広く庶民に親しまれることになる。
江戸時代になると、幕府の式楽として形式ばったものになってしまった狂言だが、新たに俄という伝統芸能が、庶民の間で広く流行する。俄とは当時の歌舞伎をもじって即興で行う芸のことであり、コントが持つ即興性・風刺性はこの俄によって培われたのである。
明治・大正時代には、俄から喜劇と変化して、曾我廼家一家をはじめとした芸人たちが、寄席や演芸場で人気を博した。また浅草のカジノ・フォーリーでは、アメリカやフランスの外国のコメディに影響をうけた榎本健一(エノケン)や古川緑波(ロッパ)が、歌や踊りを取り入れた新しいショーを展開していく。そんな中コントも多様に変化していき、喜劇やショーの幕間などで盛んに演じられていく。
ラジオが誕生し、ラジオがメディアの筆頭になると、コントは漫才や落語といった演芸に一歩ひけをとるが、テレビの時代になると、吉本新喜劇・コント55号・ドリフターズといった芸人が時代の流行に乗せたコントを披露し、お茶の間を席巻する。そして、60年代後半から70年代にかけてのMANZAIブームによって、お笑いの客層が一気に若年化し、現在に至る。 |